「3年毎」買い替えの「新車」の乗り方は有名! では「中古車」のお得な乗り継ぎ方法とは? (2/2ページ)

未使用車はリセールバリューにおいて不利な傾向にある

 というわけで、短期間でクルマを買い替えるポイントはリセールバリューの高いクルマを選ぶことにある。中古車で一定のリセールバリューが期待できるクルマというのは、前述した新車から2年くらいで乗り換えた人が下取りに出したクルマとニアリーイコールだ。具体的にいえば、レクサスRXやトヨタ・ランドクルーザーのようなモデルの2~3年落ちの中古車であれば、そこから2~3年乗ったとしても十分なリセールバリューを有していることが期待できる。ただし、そうしたリセールバリューが高いクルマというのは中古車においても高価格帯となる傾向にあり、初期投資としてはそれなりの予算を用意する必要がある。

 逆に、かつて「新古車」と呼ばれることもあった「登録済み未使用車」でよく見かける車種は、一般論としてリセールバリューには不利な傾向にある。ほぼ新車状態で、かなり安く買えるということは、スタート時点でのバリューを下げて売っているということになるのだから当然だ。

 ごく稀に20年前のクルマの低走行車が信じられないような価格をつけることもあるが、それは再現性のある方法とはいえない。また、レアなスポーツカーなどで中古車になってから市場価格を上げるケースもあるが、それを確実に狙ってクルマを買うというのも難しい。たとえば初代NSXやオートザムAZ-1などについては、「あのとき買っていれば、いまなら価格は倍になったのに」と思うこともあるが、それは結果論である。その当時に価格が跳ね上がると誰もがわかっていればオークションなどで価格は上がっていたはずで、すなわちプロの業者であっても将来にリセールバリューが上がるかどうかは確実にはわからないということを示している。つまり、アマチュアが投機目的で中古車を選ぶというのは難しい。

 結論をいえば、リセールバリューを考慮した中古車選びというのは可能ではあるが、そのためには、そこそこ高価な中古車を選ぶ必要があって、ある程度の初期コストがかかることになる。安価な中古車を買ってきて、高く売り抜けるというのは狙ってできるものではない。安い中古車の場合は、最初から乗り潰すくらいのつもりで乗りつつ、なんらかの事情で市場価値が高まって得になることがあったらラッキーくらいのつもりでいるのが精神衛生上も健康的といえる。素直に欲しいと思うクルマを選んでいたほうが幸せなカーライフが送れるはずだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
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