「ツルツル」にみえても実は「剣山」状態! クルマのボディに多数刺さっている「鉄粉」の正体と除去方法とは

鉄粉を取り除くには液剤や粘土が有効!

 洗車好きの方なら知っている人も多いと思うが、塗装面には細かい鉄粉が刺さっている。一見するとツルツルに見えるボディも、実際はザラザラしているのだ。ほぼすべてのクルマに付いていて、信じられない方は、お菓子を包んでいるセロハン越しに指で撫でてみるとわかりやすい。こんなに付いているのかと驚くはずだ。

 なぜ塗装に鉄粉が刺さっているかというと理由はさまざまで、ブレーキのローターやドラムが削れたり、わずかだが排気ガスにも含まれている。また環境にもより、高速道路や鉄道の近くに駐車場を借りていたりすると多く刺さる傾向にある。ちなみに鉄道は車輪とレールが削れたものだ。

 刺さったまま放置するとどうなるかというと、まず塗装自体が傷む。点々と傷むだけならまだいいが、鉄粉は錆びるので腐食が広がってしまう。下地までダメージが及ぶこともあり、そうなるとリペアするのも大変だ。また、ザラザラと手触りがよくないだけでなく、見た目もなんだか薄ぼんやりとするなど、さまざまな部分に影響は及ぶ。

 プロにコーティングを頼んだ際も必ず鉄粉は取り除くが、ダメージを防止するだけでなく、コンパウンドで磨く際に使うバフが引っかからないようにするためというのも理由。

 となると、定期的に除去したいところだが、刺さった鉄粉を取り除くにはふたつの方法がある。まずは液剤で溶かすというもので、スプレーすると反応して紫色になり、自然に取れてしまう。もう一方は、専用の粘土でくっつけて取り除く方法で、つまり引き抜くイメージだ。

 どちらもカー用品店などで手に入るが、それぞれ一長一短あるので注意したい。まず液剤は簡単に落とせるものの刺激が強いため、しっかりと洗い流すことが大切。残っていると逆にサビの原因にもなることもある。

 一方の粘土は、それ自体はダメージがないものの、水をかけながらセコセコとこする必要がある。また、ある程度かけたら練り込んで面を変えないと、取り除かれた鉄粉で塗装をキズ付けてしまう。

 どちらがいい悪いではなく、洗車環境も含めて、よく考えてから使うようにしたい。しっかりと取り除いた塗装面であれば、ワックスやコーティングの乗りもよくなり、効果も持続するので、鉄粉取りはぜひチャレンジしてほしい。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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