小さな子供やペットが一緒でも気兼ねなく楽しめる
開場から上映開始まではたっぷり1時間半。その間に、主催者から指示されたFMの周波数にラジオを合わせることと、ライトを消灯しておくことが主な準備です。あとは、持参したり会場内のキッチンカーで購入した食べ物やドリンクを楽しみながら、夕暮れを待ちます。ドアを閉めればほかのクルマからの音はまったく聞こえないので、これなら赤ちゃんやペットが一緒でも映画鑑賞ができますね。
しかも今回のドライブインシアターは、料金が1台3000円で、乗車人数に制限なし。8人乗りのミニバンなら、1人がたったの375円というリーズナブルさです。また、クルマを持っていない人のために、会場と最寄駅の送迎つきで、レンタカーから鑑賞できるチケットもありました。これも新しい取り組みですね。
そしていよいよ上映開始時刻になると、ラジオからノリのいいスタッフの声が聞こえてきました。ドライブインシアターはこんな時代でも安心して映画が楽しめる素晴らしいものですが、1つだけ欠点があると。それが、会場の一体感ができにくいところ。なので、今から皆さんで一緒に「ハザードチャレンジ」をして心をひとつにしましょう! と言って、掛け声に合わせて全車がハザードを点滅。場内は一気に華やかな空間になりました。そして、次はアップテンポな音楽とスタッフが振る誘導灯の動きに合わせて、パッシングをピカッピカッ。「もっとはやくなりますよ〜、遅れないでくださいね〜」なんて合いの手が楽しくて、グッと参加者がひとつになった気分でした。
上映中は、娘がポップコーンをこぼして騒いだり、「今のはどういう意味?」なんて聞かれたりしても、通常の映画館なら周囲の迷惑にならないよう冷や汗もので、「シーッ」と黙らせてしまうところを、気がねなく教えてあげられるのがいいなぁと思いました。シートをいっぱいまで倒して寝そべって観たり、靴を脱いだりするのも自由。愛煙家のみなさんは、車外に煙が出ないようにすれば喫煙もOKとのことで、これはなかなか他ではできないことですね。
1つ失敗したのは、トイレです。駐車場なので簡易トイレが設置してあったのですが、すべて和式タイプで、洋式タイプしか使ったことがなかった娘は夜なので暗いこともあり、怖がってなかなか使ってくれなかったのです。もし小さなお子さん連れの場合は、どんなトイレがあるのか事前に確認すると安心ですね。また新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、場内にゴミ箱は設置されておらず、各自で持ち帰ることになっていました。なのでゴミ袋の持参も忘れずに。
そんなわけで、安心で自由なプライベート空間から映画を楽しめるドライブインシアター。8月29日には、日本初、ドライブイン形式で映画と花火が鑑賞できるコラボイベントも千葉県で開催され、今後ますます新しい生活様式に即した娯楽として進化していきそうです。猛暑が落ち着いてくれば、さらにドライブにもいい季節となりますので、皆さんもぜひ一度、好きな人を誘ってドライブインシアターを体験してみてはいかがでしょうか。