かつては「胸キュン」の定番! 今やると女性から「ドン引き」必至の運転テクニックとは (2/2ページ)

女性が感じる「男性らしさ」も時代とともに変化している

 次に、シートをめいっぱい後ろに下げて寝そべるように座り、片手をまっすぐに伸ばしてハンドルを握って運転する「ストレートアーム」。これも昔はカッコいいと思われていたようですね。確かに、腕まくりしたワイシャツから日焼けした腕がのぞいているところは、ちょっと男らしさを感じてキュンとくるかもしれません。

 でも今考えれば、もし何かが急に飛び出してきて、とっさにハンドル操作で避けなければならない場合などに、こんなに腕が伸びていたら正確なハンドル操作はできません。シートが遠くて寝そべったような姿勢では、しっかりと視界も確保できていないということなので、そもそも危険です。そんな人の助手席に乗って命を預けるなんて、考えたくもないですよね。ハンドルはしっかり両手で9時15分を持ち、適度に肘が曲がって余裕のある状態がベスト。そういう男性の隣りに乗りたいものです。

 続いて、カーブを曲がる時に、一度曲がりたい方向とは逆にハンドルを切ってから、グイッと曲がりたい方向に切り込む運転テクニック、フェイント。これも今やると、ただの「乱暴な運転」と思われがちです。これは、昔の4WDのように曲がりにくクルマの場合に、フェイントを使うことでカーブのイン側になるタイヤに一気に荷重を移動させて、クルリと鼻先を曲がる方向に向けるためのもの。ラリーなどの競技でも、テールスライドのきっかけを作るのに有効とされ、競技では今でも使われているテクニックです。

 でも、制御技術の進化で昔ほど曲がりにくい4WDはなくなり、そんなことをしなくたってちゃんと曲がります。昔は女性も、Gがかかることに対して寛容というか、むしろそこに男らしさを感じていたフシがありましたが、今はちがいます。丁寧なハンドル操作がいちばん、女性に優しいのです。

 さて、最後はテクニックとは言えませんが、昔は女性がときめいたものとして、くわえタバコでの運転というのがありました。けむりが目にしみて、ちょっと目を細めたりする顔がまたいい、なんて話もあったほどですが、今じゃもうすっかり、世の中的にそもそもタバコが悪者の時代。逃げ場のない車内で吸われたら、助手席の女性も確実に受動喫煙確定ですから、これは嫌ですよね。いくら自分のクルマの中とはいえ、ほかの人を乗せている時には喫煙は慎み、パーキングなどの喫煙所で吸うのがマナーだと思います。

 というわけで、トレンディドラマでは女性たちをキュンキュンさせていたのに、今やったらかなりドン引きな運転テクニックをご紹介しました。クルマの進化とともに消えたものもあれば、時代の変化で印象が変わったものもありますね。女性たちが感じる「男性らしさ」も時代とともに変化していますので、ぜひ運転する際には助手席だけでなく周囲にも優しい、スマートな運転を披露してくださいね。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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