優雅な雰囲気に仕立てられたインテリアに注目
ビー・エム・ダブリューは、ラグジュアリー4ドアクーペ「8シリーズ・グランクーペ」をベースにした限定車「BMW 8シリーズグランクーペ・京都エディション」を発売した。BMW正規販売ディーラーにて2台、BMWオンラインストアにて1台、合計3台のみが販売される。メーカー希望小売価格(税込み)は、2150万円。
BMWのクーペシリーズ最上級モデルとなる8シリーズ。その4ドアクーペであるM850i xDriveグランクーペをベースに仕立てられている。2ドアクーペのように流麗なボディラインが特徴で、2ドアクーペに対してホイールベースを200mm延長。4ドアボディに合わせてボディなどをワイド化した専用設計で、スタイリングと運動性能を両立させている。搭載するパワーユニットは、最高出力530馬力を発揮する4.4リッターV8ツインパワーターボエンジンだ。
エクステリアは、BMWインディビデュアル特別色となる、アズライト・ブラックを採用。アズライト(藍銅鉱)は日本の伝統絵画にも用いられていた高貴な色。深みのある藍色に、クローム仕立てのキドニーグリルやウインドウモール、そしてマルチスポーク20インチアロイ・ホイールの輝きとのコントラストが優雅さを演出する。
インテリアは、BMW M社の高品質レザーであるBMWインディビデュアルフルレザーメリノのアイボリーホワイト×タルトゥーフォーのバイカラー仕様。加えて工場をラインオフしたあとに、職人による手作業でステアリングやフロントシート台座部分をレザーで覆うBMWインディビデュアル・マニュファクチュール加工が施され、上質な空間が広がっている。
ドイツの職人技が光る特別な8シリーズグランクーペに、日本の伝統工芸をプラスしているのが今回の京都エディションの特徴。センターコンソールのインテリアトリムには京都を代表する漆芸家である、岡田紫峰氏が手掛けた漆塗り蒔絵螺鈿細工が施される。「駆けぬける歓び」をモチーフに、この限定車のためにデザインしたもの。
ちなみに漆は16世紀にヨーロッパへ渡り、当時深い黒を表現できる塗料がなかったため、多くの貴族や特権階級を魅了したという。その後、ドイツで漆にインスパイアされた黒い塗料“ラッカー”の開発に成功。それがピアノに塗られ、現代ではBMWの高級インテリアトリムとして人気のピアノブラックにつながっている。漆をキーワードにした、日独の歴史を感じさせる壮大なコラボレーションともいえる1台だ。
このほかにも、特別仕様車の専用トリムと同様のデザインを施した、蒔絵螺鈿細工の専用キートレイを用意。自宅でも美しい京都エディションの魅力を感じることができる、オシャレな演出だ。
また、車内には老舗西陣織メーカーである加納幸が手掛ける特別アイテムが用意される。加納幸の伝統にとらわれず、異素材を織り込んでデザインを表現するという技術を用い、アルカンターラを細い線状に裁断し上質な絹糸を用い西陣織の伝統技術で織り込んだ、新しいデザインと質感のクッションを装備する。