メーカー自体が恋愛仕様を謳う!
キャッチコピーは「恋愛仕様」だったが、自動車評論家の巨匠、徳大寺有恒氏は「動くモーテルという企画には驚いた」「セックスがかくもあからさまに商品化されるとは」と評していたが、あまりにも下心が見え見えで、デートカーに使うのには勇気が必要だった!?
それでもデビュー当時は1ヶ月に6000台ほど売れ、1年後でも600~700台のオーダーが入っていた。
エンジンはDOHC4気筒2リッターのB20Bで、サスペンションはフロント=ストラット、リヤダブルウイッシュボーンだったが、ローダウン仕様はできの悪いシャコタンで、乗り心地は悪く、シートもホールド性など皆無なので、走りの評価はかなり低い。
ちょうどこのころ、90年代半ばからいわゆるミニバンブームが始まるわけだが、ひょっとすると国産車の方向性が妙にずれていったきっかけの一台がこのS-MX。
1992年までF1に参戦(第2期)し、S-MXが登場した1996年にはリジェ・無限で、モナコGPも制したホンダから、こんなクルマが出てくるのだから、ホンダってどこにヘソがついているのかイマイチわかりづらいメーカーだ……。