運転中も休憩中もカップルが引っ付くことだけを考えて作られた!?
ホンダS-MXは、バブルの余韻が残っていた1996年に登場したトールワゴン。
車名からして「SM」だとか「SEX」を連想させるエロティックなクルマだが、公式には「ストリート ムーバー エックス(Xは未知数の意味)」の略で、「不思議な魅力をもつクルマ」ということになっていた。
ベースは初代ホンダ・ステップワゴンで、そのシャシーを切り詰め、前後2列の4から5人乗りに。
ノーマルでもカスタム色が強く、ローダウン仕様の「S-MX LOWDOWN」は、標準仕様より15mm車高をダウンした仕様。マフラーもスポーティーなサウンドにチューンされ、かなり若者を意識したクルマだった。
しかし、もっとも特徴的なのは、インテリア。シートは前後ともベンチシートで、前席を倒せばフルフラットのダブルベッドに!
ATはコラムシフトで、パーキングブレーキはペダル式ではなくレバー式で、通常のセンターではなく運転席の右側にレイアウト……。運転中も休憩中も、カップルが引っ付くことだけを考えて作られた大胆すぎる内装だった。
さらにご丁寧なことに、シートをフルフラットにした時に、ちょうど手を伸ばしたところに、市販のティッシュペーパーの箱が収まる収納ボックスがあったというのは有名な話。