見ればアオる気にならず! 乗れば飛ばす気にならず! まわりに「癒やし」を与える「脱力系」クルマ3選 (2/2ページ)

ファニーなデザインのFRスポーツカーも!

歴代ミニバン代表:日産・セレナキタキツネ

 80年代にヒットした北海道の富良野を舞台とする国民的ドラマの影響か、日産は初代のセレナに「キタキツネ」を設定。ミニバンのセレナの外装と内装の一部にかわいいキタキツネのイラストを配しただけの緩い商品企画ながら、子育て世代からのウケは良く、地味ながらヒット。

 2代目セレナにも継承され、成約者に専用のぬいぐるみをプレゼントしたり、DVDカーナビの画面にキタキツネのキャラクターが走り回る演出を施したりするなどして、さらなる人気を博した。外装ステッカーやぬいぐるみは日産車の架装職人集団であるオーテック製で、クルマ好きのお父さんの満足感を高める効果も発揮。シートには撥水加工が施されるなど、アウトドアレジャー向けの実用性もアップ。

 クルマそのものの魅力や、ドライブ旅行の思い出はことごとく忘れても、「キタキツネのキャラが大好きで家のクルマに乗るのが好きでした」と振り返るミニバン育ちの妙齢女性が育ったなど、日本のファミリーカー文化の多様化を語る上で欠かせない歴史を刻んだ。

歴代スポーツカー代表)シボレー・SSR

 2シーターのピックアップオープンスポーツという、極めて稀有なレイアウトを与えられたシボレーSSR。コンセプトモデルとして2000年に発表されると大評判となり、2003年から市販される運びとなった。アメリカンSUVとしては比較的コンパクトな車格のトレイルブレイザーがベースとなっており、基本レイアウトはラダーフレームを持つ本格ピックアップトラックである。

 癒し系デザインのイメージとは裏腹に、当時のシボレーブランドSUV向け主力ユニットだった5.3リッターV8エンジンを搭載。ピックアップトラックというより、ファニーなデザインながら硬派なFRスポーツカーでもあるという二面性が一部の層から高く評価された。その後はコルベット用の6リッターエンジンや6速MTを搭載するなど、走行性能はさらに高められたが、癒し系エクステリアはおおむね変わることはなく、見た目の可愛さと走りのギャップの大きさはますます拡大。

 SSRを愛してやまない某マニア氏は「意外と硬派な走行性能よりも、独特の雰囲気や独創性の高いコンセプトに魅力を感じています」と語る。SSRならではの雰囲気を味わいながら、ゆったり流すのが至福のひと時だという。


マリオ高野 MARIO TAKANO

SUBARU BRZ GT300公式応援団長(2013年~)

愛車
初代インプレッサWRX(新車から28年目)/先代インプレッサG4 1.6i 5速MT(新車から8年目)/新型BRZ Rグレード 6速MT
趣味
茶道(裏千家)、熱帯魚飼育(キャリア40年)、筋トレ(デッドリフトMAX200kg)
好きな有名人
長渕 剛 、清原和博

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