【試乗】ボルボXC40にPHEV「リチャージ」を追加! エコ性能と運動性能を高次元で両立 (1/2ページ)

市街地走行ではバッテリーのみで力強い走りを味わえる!

 モータートルクの壮大な力を好む者にとって、無音で転がるように動き出した瞬間「次の愛車はコレだな」!! と、プリウスを3世代乗り継いだハイブリッド好きは強くそう思うのだった。プラグインハイブリッドを搭載したボルボXC40リチャージプラグインハイブリッドに初乗りし、ほんの数十メーター加速した段階の話である。

 ボルボは2019年から全モデルを電動化すると発表している。すでにT8ツインエンジンの名でPHEVが、2016年のXC90日本デビューと同時に登場。続いて誕生したXC60も、トップグレードにT8ツインエンジンをラインアップ。

 そして今年、48Vマイルドハイブリッド(モーターアシスト)を搭載するXC90 B5とXC60 B5が誕生した。ボルボが言う「全モデルを電動化する」という意味は、“エンジンのみ”モデルは廃止するという意味だ。現状のT4、T5ガソリンエンジンは、48VマイルドハイブリッドのB4、B5に置き換えられていく。もちろんXC40にも搭載予定である。

 話を戻そう。正式名称を「XC40 リチャージプラグインハイブリッドT5」と長い名称のPHEVは、T5の記号が与えられた。T5とはXC40の現状最強のパワーユニットを意味する。

 現行T5に取って変わるPHEVユニットは、ボルボとして本邦初の1.5L直列3気筒DOHC12バルブ+ターボのダウンサイジングユニット。1.5Lながら出力は180馬力/265Nmと、すでにエンジンだけでもスポーツユニットさながらの性能を持つ。

 これに7速DCT-H(デュアルクラッチ)トランスミッションに直結されるモーターが82馬力/160Nmを発生して、現行T5の2L直4ターボの252馬力/350Nmに対してトータルパフォーマンスでT5を継承するに相応しいハイブリッドユニットに仕立ててある。

 クリスタル製シフトノブは、インスクリプションの証し。スイッチONはバッテリー残量がある限り電源が入るのみ。シフトをDレンジに入れるとドライブモードは、デフォルトで「Hybrid」が選択される。

 まずはモーターで音もなく(周囲に対し警告音の類を出しているが乗員にはほぼ聞こえない)滑り出す。市街地走行は、この状況ではエンジンが掛からない。かなりアクセルを踏み込んでも、モーターのまま流れを軽々リードする、ノンストレスの気持ち良さは格別だ。

 エンジンとモーターを状況に応じて適宜使用する「Hybrid」モードだが、市街地の渋滞とそれなりに速い流れでもエンジンは掛からず、気持ちとしては早く3気筒音を聞きたいのだが、高速の料金所からのダッシュで、ようやく3気筒のビートを味わう。

 驚きは3気筒にありがちな2000〜3000rpmのドヨーンと淀んだ重苦しい音色は見事に抑え込まれて静か。だが4000〜6000rpmの高回転はV6にも似た豪快なサウンドと呼べる聞かせるいい音色を展開。100km/hまで伸びてアクセルを戻すと再び鼓動停止してモーター走行に戻る。

 エンジンとモーターのトータルパフォーマンスで従来のT5を上まわるせいか、瞬間加速Gの凄みと7速DCTがシームレスにシフトアップを続ける加速の伸びの良さは、多くのPHEVのなかでも群を抜くボルボRPHEVの存在感である。


新着情報