日本企業での開発が進まないかぎり国内での普及は難しい
事情通によると、いまは良好ともいえる日中関係であるが、米中関係が悪化の一途をたどっており、日中でも尖閣など問題が山積み。それらの動き次第では、中国との対立が先鋭化する可能性がここのところ高まってきた。つまり、中国製バス導入後、日中関係の悪化により補修パーツなどの手配が滞る(中国政府が出荷を禁ずるなど)可能性も考慮しなければならないとなったようなのだ。つまり、“安全保障上の理由”から中国製バスの導入は慎重に考えるべきではないかとなったというのである。
とはいうものの、日系メーカーでは、人手(開発陣など)は足りないし、お金も時間もかかるので頼ることはできない。韓国ヒュンダイ自動車は電動バスの開発およびラインアップに積極的であるし、現に内燃機関車であるが観光バスを日本国内で販売しており現実味がある。「政治レベルでは冷え込んでいるものの、中国ほど懸念材料はない」との声も聞かれる。ただ、いずれにしろ中国製バスに頼れないとしても、どのみち海外メーカーに依存しないと国内での公共輸送機関のBEV化は難しい状況となっている。
事情通は、「このままいけば、将来的にはバスだけではなく、タクシーも含めて日本の公共輸送機関の大半は海外メーカー車となってしまうのも、俄然現実味を帯びてきた」と語ってくれた。“もの作り大国日本”が着々と崩壊していっているのも現実である。