トヨタのエンジン開発などにも大きく貢献していた
日本には4つのバイクメーカーがある。ご存じのように、四輪事業もやっているのがホンダとスズキで、カワサキの本体は重工業で新幹線や船舶などを作っている。そして、ヤマハ発動機はバイクを軸にモビリティ関連では電動アシスト自転車やマリン製品などを生み出している。
あえてヤマハ発動機と書いたが、なぜなら楽器などで知られるヤマハとは別企業だから。そのことを明確にするため「ヤマ発」といった略称で呼ばれることもある。もっとも“ヤマ発”は、日本楽器(現在のヤマハ)から独立したという経緯があり、ヤマハとは血縁関係といえる。微妙にデザインは異なるが、両社が音叉マークを使っているのは、そうしたルーツを示しているものだ。
さて、そんなヤマ発の事業のなかには自動車関連というのがあり、おもにトヨタ向けにエンジンを生産したり、ゴルフカートや除雪機などを生み出したりしている。有名どころでいえば、レクサスのスーパースポーツLFAの音作りに関わったことや、古い話で言えばトヨタ2000GTの生産に深く関係していたことが知られている。
トヨタ向けエンジンにも長年関わっていて、たとえば1.8リッターのスポーツツインカムユニット「2ZZ-GE」のヘッド部にヤマハのロゴが入っていたことを覚えているファンも少なくないだろう。
またレーシングエンジンとしてはF3000やF1にエンジン供給していた時期もある。そうしたなかで、バブル期にはF1用V12エンジンをディチューンして載せたスーパースポーツ「OX99-11」を開発して市販目前までいったこともある。