生産台数はごくわずかだがそれぞれに深いエピソードがある
デビュー当初からスーパーな存在であったスーパーカーのなかでも特に伝説として語られる車種がある。タイトルにもあるフェラーリ288GTOやランボルギーニ・イオタ、トヨタ2000GTなどは別格ともいえる扱いとなっているのはご存じのとおりだ。
このなかでも288GTOやイオタはとくに生産台数が少ないことでもその伝説に拍車をかけていると言えるだろう。ただし、誕生した理由はそれぞれ異なっており、288GTOはレース競技に参加するためのコンペティションマシンとして、イオタはランボルギーニ社の車両の性能向上を目的に開発された、いわば試作車のようなものだった。
しかし288GTOは当時出場を目論んでいたグルーブBが事故によって廃止となり、ワークスとしてレースに出ることはなく、元々試作車だったイオタもテスト後に売却後に事故で廃車。そのため、現存するイオタは厳密にはミウラをベースとしたレプリカということになる。
一方のトヨタ2000GTは、日本車として世界に通用するスポーツカーを目標に開発されたモデルであり、当時としては最先端のメカニズムを持ち合わせていた。価格は当時のクラウン2台分と高価であったが、それでも売るほどに赤字と言われるほどだった。
とこのように、スーパーカーであることに加え、生産台数がごくわずか、さらにそれぞれに深いエピソードが備わることで伝説的な車種というキャラクターに拍車がかかったと言えるだろう。
あまりに雲の上の存在すぎて我々には計り知れないところではあるが、クルマには工業製品であるということ以上の価値があるということを、これらの車種は物語っているということなのだろう。
今存在するスーパーカーや、今後登場するであろうスーパーカーたちにもこれほどのエピソードを持った車種が現れることを期待したい。そしてその伝説を語り継いでいきたいところである。