国産車はクオリティコントロールがしっかりしている
ちなみにドイツ系ブランドでもっとも品質が高いといえるのは72ポイントのアウディや74ポイントのMINI。それでも国産系で同レベルにあるのは74ポイントの三菱自動車だけで、他の国産ブランドはいずれも60ポイント前半に収まっています。
日本市場における初期品質のユーザー評価において、国産車の優位は明らかで、ドイツ車であっても評価は低いというのが現実です。
時折、日本は湿気が高いので欧州車は耐久性の面で不利といった話を聞くこともありますが、J.D.パワーのIQSは初期品質の調査でありますから、そうした話でもありません。工業製品として工場から出てきた状態での品質における差が明確にあるというわけです。
なぜ、そうなっているのかといえば「設計から製造の工程においてクオリティコントロールがしっかりしているから」という以外に言いようがありません。もちろん、ここでいう品質というのは不具合が少ないという意味ですから、正常な状態で比較したときにどちらが優れているのか、という話ではありません。
ただし、輸入車の初期品質についても改善が見られています。2014年のデータと比較すると、輸入車ではMINI(69ポイント減)、ボルボ(56ポイント減)、国産ではマツダ(45ポイント減)といったブランドは品質の改善が進んでいることが確認できます。
その意味では、輸入車も確実に品質改善が進んでいるといえますから、国産勢もうかうかできません。いずれにしても、新車の品質が改善されることはユーザーにとっては嬉しい話で、国産・輸入を問わず自動車メーカーが切磋琢磨することを期待しましょう。