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巨大メーカーの「ブランド」を築いた衝撃作! 国産8メーカーの「神車」8台を選んだ (2/2ページ)

巨大メーカーの「ブランド」を築いた衝撃作! 国産8メーカーの「神車」8台を選んだ

スポーツカーがブランドイメージを高めてきた時代があった

 自動車メーカーにはそれぞれ色がある。そうした個性的なキャラがあるからこそユーザーは車種ではなくメーカーのファンになったりするわけで、それをブランド価値と呼んだりする。では、国産8メーカーのブランドを確立させた「神車」とは何だろうか。異論もあるだろうが、自動車メディアに関わるようになって四半世紀以上、現在51歳の筆者が独断と偏見で、現役時代を知っている「神車」をメーカーごとにピックアップしてみよう。

1)トヨタ・スープラ(JZA80)

 まずはトヨタ。歴史を振り返るならば2000GTや初代クラウンといったモデルがブランド価値の源泉かもしれないし、環境対応的な面では元祖ハイブリッドのプリウスのブランド力も見逃せない。だが、現在のトヨタがGRブランドで磨いているスポーツ性に限って原点を探すと、JZA80スープラが思い浮かぶ。

 いや、たしかにAE86レビン/トレノも忘れがたい存在だが、80スープラと、その心臓部である3リッター直列6気筒ターボ「2JZ-GTE」型エンジンは、伝説となるに十分なポテンシャルを持っている。だいたい生産終了から10年以上経っても、いまだにドリフトシーンやチューニング業界では「ハイパワーを出すなら2JZエンジン」という風潮が続いているのだから恐るべしだ。

2)日産スカイラインGT-R(BCNR33)

 日産のイメージリーダーといえば「GT-R」で決まりだ。1969年1月生まれの筆者としては完全に同世代の初代スカイラインGT-Rを選びたい気持ちもあるのだが、実際にハンドルを握ったことがあるなかで選ぶなら、第二世代GT-Rの次男坊であるR33スカイラインGT-Rをあえて選びたい。ホイールベースが伸びたことやコミックの影響によって実際の実力以上に低く評価されているR33GT-R。後輪操舵が電動化になったことでR32GT-Rの持病ともいえるハイキャスからのオイル漏れがなくなったことが美点としてあげられるくらいだったりする。

 しかし、2000年代前半にNISMOが仕上げたR32~34GT-Rのコンプリートカーを運転した経験からすると、もっとも緊張感なく運転できたのはR33GT-Rだった。その理由をロングホイールベースだけに求めるほど単純でないのは理解しつつ、マシンに任せられるという信頼感という点では、日産という大手自動車メーカーの出すスポーツカーとしては間違いなく正しい姿だった。その意味でブランディングにつながる「神車」だと思うのだ。

3)ホンダ・シビックタイプR(EK9)

 いまやほとんどスポーティなモデルを持たないホンダながら、F1にパワーユニットを供給しているからなのか、未だにスポーツカーメーカーというイメージが強い。しかも手の届くことがホンダに期待されるスポーツカー像だ。おそらく、それは歴代シビックが培ってきたものであり、その究極形といえるのが初代シビックタイプR(EK9)だろう。

 軽量化と強化したボディに搭載されたテンロクエンジン「B16B」はボア・ストロークこそスタンダードモデルと変わらないものだったが、1.8リッターエンジンのブロックをあえて使うことでピストンのサイドフォースを低減するというこだわりのエンジン。

 あえてテンロクというレギュレーションを自身に課し、そのなかでベストを尽くすことでライバルを蹴散らすパフォーマンスを実現するというホンダのDNAは、モータースポーツはもちろん、軽自動車という厳しい規格のなかで強みを発する現在の姿にも重なってくる。

4)スズキ・アルトワークスR(HB21S)

 スズキといえば軽自動車と考えるのであれば、アルトやワゴンRといったヒットモデルがブランドイメージに直結するだろうし、近年の登録車において一定の存在感を示す原動力となったモデルはスイフトにほかならないだろう。

 しかしここでは、あえてそのいずれにも当たらないモデル、最後の「アルトワークスR」をピックアップしたい。スタンダードモデルの倍近いどでかいインタークーラーを備えた、その姿にはスズキが忘れてしまったモータースポーツ魂を思い出すし、スズキのボードメンバーにもこうしたモデルがブランドイメージを高めてきた時代があったことを思い出してほしい。

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