背の低いクルマと同じ感覚ではダメな場合も
4)強風時はハンドルが取られやすい
4つ目は、風の影響を受けやすくなるために、ハンドルを取られるなどで怖いと感じることです。これはSUVだけでなくミニバンやスーパーハイト軽、トラックなども同様ですが、橋の上など強風にあおられやすい場所では、どうしても車高が高いクルマのほうが不利。重心が高いので上の方をあおられるとグラつきやすく、ハンドルをしっかりと握っていないと意図しない方向へ進んでしまう場合もあるほどです。
強風のときはまずしっかりと減速し、万が一風にあおられてハンドルを取られてもすぐに対処できるような心構えで、慎重に走行するようにしましょう。
5)スピード感覚がずれてしまう
さて最後に5つ目は、実際の速度に対してスピード感が遅くなりがちなため、ついついスピードを出しすぎていて怖いことがあります。よく「体感速度」という言葉を聞くと思いますが、これは実際の速度ではなく感覚上の速度のことで、カートのように人間が地面に近いところに座る乗り物ほど、実際の速度よりも速く感じる傾向があります。
また、狭い道を走っているときにも体感速度が速くなると言われています。これに対して車高が高いクルマの場合は、実際の速度よりも体感速度が遅く感じるために、気がついたら100km/h以上出していた、というように速度の認識に誤差が生じやすいのです。自分では80km/hくらいのつもりが、実際には100km/hで走っているとすると、80km/hのつもりで踏んだブレーキでは、100km/hでは思い通りには止まれません。そこで「ブレーキが利かない!」と錯覚して恐怖を感じるというわけです。
車高が高いクルマに乗るときには、この体感速度のことを頭に入れておいて、普段から速度に気を配るようにするといいですね。
というわけで、大人気のSUVをはじめとする車高が高いクルマには、慣れていない人が怖いと感じやすい、これだけのデメリットがあります。でもそれをちゃんと意識して、最新装備の力を借りたり、運転に気をつけることで、デメリットはカバーできるものです。ぜひ参考にしていただければと思います。