存続に「黄色信号」点灯! 売れてなくても「消滅」させてはいけない国産車5選 (2/2ページ)

車種整理の対象とされてしまいそうなモデルも

3)スズキ・イグニス

 スズキといえば軽自動車というのは過去の話。いまやコンパクトミニバンの「ソリオ」、走り自慢の「スイフト」、クロスオーバーSUVの「クロスビー」など登録車のラインアップも充実してきた。そうした甲斐もあって国内での登録車販売台数も年間10万台規模で推移してきている。ある意味で攻めのラインアップ充実といえる状況だが、そのなかで思ったほど売れなかったモデルはラインアップ落ち(販売休止)となってしまうこともある。最近ではインドで生産されているプレミアム・ハッチバック「バレーノ」が国内ラインアップから消えてしまったが、心配されているのが「イグニス」だ。

 初代エスクードやフロンテなどをモチーフとしたディテールを与えられたオリジナリティあふれるエクステリアはコンパクトSUVとして評価も高いが、クロスビーとキャラかぶりしているのも事実で、車種整理の対象とされてしまう可能性が低いとはいえない、心配な一台だ。

4)三菱エクリプスクロス

 かつて三菱がグローバル展開していたクーペの名前を冠したクロスオーバーSUV「エクリプスクロス」。2018年3月に鳴り物入りでデビューしたが、販売的には鳴かず飛ばずといった状況が続いている。当初1.5リッターガソリンターボだけのラインアップで、現在は2.2リッタークリーンディーゼルも設定している。自動車評論家などの評価も高く「売れるポテンシャル」は秘めているはずなのだが、現実的には期待されているほどには売れていない。デビュー当初の月販目標(1000台)からすると半分程度となってしまっているのだ。

 スタイリングに少々クセがあるものの、燃費性能や積載性能、そして三菱のSUVに期待する走破性能については十分なレベルであり、大きな欠点も見当たらない。単純にブランディングにおいてエクリプスという名前のバリューがそれほどなかったということなのかもしれないが、このまま浮上できないようでは一代限りとなってしまいそうで、なんらかのカンフル剤を期待したい。その意味では、先日の中期計画においてプラグインハイブリッド仕様の追加がアナウンスされたが、電動化によってどれだけジャンプアップできるかには注目だ。

5)ダイハツ・ウェイク

 軽自動車のメインストリームは全高が高くて後席がスライドドアになっているスーパーハイトワゴン。しかし、そうしたパッケージ的要素を満たしていれば売れるわけではないようだ。それはダイハツ・ウェイクが苦戦していることからも見て取れる。同社のタントよりも全高を伸ばしたモデルで、ウェイクという名前は「上行く」に由来するともいうのもおもしろい。しかしながら販売では上に行くことができずにいる。

 直近、2020年7月の販売台数は1510台。同月のタントが1万3108台であり、軽自動車販売トップのホンダN-BOXが1万6222台であることを考えると、かなり厳しい数字だ。さらにいえば、ウェイクの商用バージョンであるハイゼットキャディの月販は50台という厳しさ。次期モデルへの進化は考えづらく、一代限りで終わると考えるのが妥当といった状況だ。

 そうは言っても、商用車ではホンダN-VANが月販2489台と健闘しており、ウェイク的なパッケージングに未来がないとは思えない。ハイゼットキャディでは積載重量が150kgとなっているウィークポイントを他車並みの350kgへと改善できれば、商用バンの新しいカタチとして復活することができるのではないだろうか。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
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