ドリフトユーザー御用達のターボ+MT車のレア車も
少し前はミニバン、今はSUVにすっかり人気の座を奪われて久しいセダン。しかし、未だに高級車のラインアップはセダンが中心となっているように、クルマの基本の車型としてはまだまだ捨てたものではない。
そこで今回はすでに絶版となってしまってはいるが、今でも一線級の実力を持ち合わせた国産セダンを独断と偏見でピックアップしてみたい。
1)トヨタ・ヴェロッサ
マークII、チェイサー、クレスタと3兄弟体制が長く続いていたトヨタのミドルセダンだが、100系を最後にチェイサーとクレスタが消滅し、2000年10月にマークIIのみが9代目へとフルモデルチェンジを果たしていた。
そこから遅れること約1年後の2001年7月にマークIIの兄弟車として登場したのがヴェロッサだ。ポジション的にはチェイサーとクレスタの後継車種という扱いではあったが、よりエモーショナルなエクステリアとなり、排気系に専用チューニングを施してエキゾーストノートをマークIIとは異なるものにするなど、新たなセダンのあり方を模索した意欲作だったのだ。
しかし、どちらかというと保守的な考え方の多いセダンユーザーにはなかなか受け入れられず、マークIIよりも早い2004年3月末で販売を終了。現在の中古車市場ではターボでMTのグレードはドリフトユーザーからの支持もあり高値安定だが、ベーシックなグレードは20万円台からみつけることができる。
2)日産ティアナ
大型セダンというとどうしても押し出しの強いデザインでドヤ感の強いエクステリアを持つ車種が多かったなかで、「クルマにモダンリビングの考え方」という新しい価値観をもって登場したのが2003年にデビューしたティアナだった。
車格的にはセフィーロやローレルのマーケットをカバーすることになったが、エクステリアはどちらかというと柔和なデザインで、十分な広さとオットマンなどを装備したおもてなしの室内空間は好評で、車格の割には手ごろな価格も相まってスマッシュヒットを記録した。
そんなティアナの良さを昇華させた2代目はさらに居住性を向上させた室内空間だけでなく、ボディ剛性や気密性も大きく向上し、クルマとしての基本性能も大きくアップしている。
にもかかわらず、中古車市場では高いものでも100万円ちょっとと、2012年末まで販売されていた比較的新しいモデルであるにもかかわらずリーズナブルなのも魅力と言える。