かなりスムースに走れるようになった箇所は多い
2020年3月22日に開通した首都高K7横浜北西線、2019年12月1日に開通した小松川ジャンクション(埼玉方面⇔千葉方面)、2015年3月開通の中央環状品川線など、このところ続々と開通した首都高速の新ルート。
渋滞解消や移動時間の短縮に効果を上げている一方で、新たな渋滞ポイントも生まれている!? 実際のところ、これらの新ルートの開通はどれだけの効果があったのだろうか?
1)中央環状品川線
まずは中央環状品川線から見ていこう。首都高速中央環状線の全線(約47km)が開通したことで、その前年と開通後3ヶ月後の交通量を比較すると、中央環状線内側の交通量は2.3万台=約5%も減少している。
同じく中央環状線内側の渋滞損失時間の変化を見ると、約5割も減っていて、新宿から羽田空港までの混雑時における所要時間は40分から19分へ短縮された。
それだけでなく、新宿(西新宿JCT)→羽田空港(空港中央)の日中の所要時間は、従来、29分走行時間+渋滞を見込んだ15分で、44分を目安にしていたが、中央環状品川線が開通してからは、走行時間19分+渋滞対策1分の20分で済むようになり、所要時間が24分も短縮。定時制の向上に大きく役立ち、首都高3号線の大橋JCTが新たな渋滞ポイントになったとはいえ、全体として整備効果は絶大だったといえるだろう。
2)小松川JCT
こちらも開通2週間後の利用状況の速報では、下記のような効果があったことが報告されている。
①小松川エリア(小松川JCT)から埼玉エリア(板橋JCT)への所要時間は、朝ピーク時で24分短縮
※朝8時台の所要時間:開通前(都心環状線)56分、開通後(中央環状線経由)32分
②都心環状線の混雑時は最大で約8割が中央環状線経由を利用
③小松川JCTの利用台数は、開通1週目は約6000台/日、開通2週目では約9000台/日と順調に増加
④一般道の主要渋滞区間を回避して中央環状線にアクセスが可能となった中環小松川入口は約700台/日が利用、一之江入口は約1000台/日増加
利用台数が増えた分、中央環状線の流れが悪くなったという実感はあるが、都心環状線を中心に首都高全体の流れでいえば、渋滞が減ってかなりスムースに走れるようになったのは間違いない。
3)K7横浜北西線
2017年3月に横浜北線が開通したときも、新横浜駅と羽田空港(空港中央出入口)間の所要時間が、混雑時であっても開通前の約43分から開通後には約31分と約12分短縮され、新横浜(新横浜出入口)と横浜港(本牧ふ頭出入口)の間の所要時間も、混雑時も開通前の約24分から約16分と約8分短縮されたことがわかっているが、今度の北西線は、東名高速と直結になったというのが大きな目玉。
これまで東名高速から横浜港に抜けるには、全国1位の交通量を誇る保土ヶ谷バイパスを利用して、朝夕のピーク時で30~50分かかるのが普通だった。
それに対し、北西線を使えば、同じ朝夕のピーク時でも20~30分で着くようになり、大幅な時間短縮を達成。週末など交通量が多い時でも、御殿場方面から都心に入らず、湾岸線方面に抜けられるようになったのはメリット大。
いずれもルートの選択肢が増えたことで、首都高全体の流れがスムースになり、カーナビなども(地図データがアップデートされていれば)、リアルタイムで最適なルートを表示してくれるので、その恩恵は小さくはないはず。
新しく開通したルートを上手に使って、よりストレスの少ないドライブを楽しもう。