中学生から公道で運転できる地域も存在!
アメリカの映画やテレビ番組で、高校生が自家用車通学しているシーンを見かけることは珍しくない。
裕福な家庭の子どもは「ビーマー(BMWに対する俗称)」が定番。一般的な家庭の子どもでも、親からのお下がりのホンダ・シビックやトヨタ・カローラなどに乗っている。最近では、子どもたちの間でも、親世代と同様にSUVシフトが始まっている。
アメリカでの運転免許取得年齢は州によって違いがある。たとえば、カリフォルニア州やハワイ州では17歳、アリゾナ州は16歳6ケ月、アイダホ州では16歳となっている一方で、フロリダ州やジョージア州では日本と同じ18歳だ。このほか、利用する区域や親族が同乗するなどの状況によって、使用限定付き免許をさらに若い年齢で取得できる州も多い。
また、親族などが同乗しての路上での試乗訓練は、カンザス州やアイダホ州では14歳から行える。日本でいうなら、中学生から公道で運転できることになる。
こうした運転免許取得の低年齢化の背景にあるのは、公共交通機関の脆弱さだ。ニューヨークやサンフランシスコなど、主要都市の一部では地下鉄が整備されているが、郊外との行き来は限定的である。
また、路線バスは風紀が良くないケースも多く、子どもが安心して乗れる保証はなく、そのためスクールバスが使われている。地方都市になると、鉄道もバスもなく、交通手段はクルマしかなくなるケースが多い。
アメリカ人にとってクルマは、日常生活における必需品であり、子どもたちにとってもできるだけ早い段階からクルマの運転に馴染む必要があるのだ。