オープンカーは大変なことが多いと思われがちだが……
クルマ好きなら、一度は乗ってみたいと思うオープンカー。かっこいい、気持ちよさそう、でも……。そうオープンカーには多くの魅力がある反面、確かにほかのクルマにはないデメリットもある。ただそのなかには間違ったイメージ、誤解も少なくない。そうしたオープンカーのよくある誤解を解いていこう。
1)オープンカーは夏のクルマ?
夏の海岸線をオープンカーでドライブ、というのはいかにも絵になりそうシーンだが、実際のところ、オープンカーと日本の夏は相性がよくない……。
外気温が35度を超え、ギラギラの直射日光を浴びながら走るのは、たとえエアコンを全開で作動させてもかなりの苦痛。さらにいえば、幌を閉めても断熱性がないので、車内に熱気がこもりやすく、とくに黒い幌だと熱を集めやすくて大変。街中では、他車が排出する熱気に襲われ、渋滞中は最悪。
ただ標高の高い高原のワインディング道路なら夏でも快適(エアコンON)。絶好調。夜や夕方は、虫も大敵となるので、やはりオープンカーのオンシーズンは夏ではない。
2)オープンカーは目立つ?
オープンカーは存在感があるけど、かといってジロジロ見られるほどは目立たない。フェラーリやランボルギーニのオープンカーで、美女でも乗せない限りは、他人の視線は正直気にならないレベル。小さな子供は喜んで見てくれるが、それ以外の人はオープンカーというだけで注目してはくれないので安心を!?
3)オープンカーはいたずらや車上荒らしが心配?
オープンカーって幌を切られたり、車上荒らしに遭うのが心配、という声も聞かれるが、よほど治安の悪いところに停車しない限りは大丈夫。もちろん、金目のものが車外から見えるようにしておくのはNG。ただ短時間でも駐車するときは幌を閉めるのが基本。幌を開けたままクルマを離れると、盗難などはなくてもゴミなどを放り込んでいく不届き者がいるからだ。
4)オープンカーは風の巻き込みがひどくて大変?
昔のオープンカーは確かに巻き込み風がひどかったが、今のオープンカーにはウィンドデフレクターが標準装備になっているので、巻き込み風は気にならないレベル。
設計時に風洞実験やCFD(数値流体力学)で空気の流れを解析しているので、オープンにしても乗員への風の影響はわずかで、会話もけっこう普通にできる。
5)雨漏りが心配
オープンカーで一番心配されることのひとつが雨漏りだが、今の幌は非常によくできているので、正しい使い方をしている限り新車から10年ぐらいは全然大丈夫。
10年以上経つと経年劣化で雨漏りしてくる場合もあるが、10年も経てばオープンカーでなくてもいろいろなところが痛み、へたってくるもの。オープンカーの幌は消耗品と割り切って交換するしかない。純正品以外の社外品の幌も豊富で、色や素材(ビニールかクロス地)なども選べるので、かえって楽しみが増えるぐらいだ。
6)冬は寒い
冬が寒いのは当たり前だが、雪国以外は意外に快適。オープンにして暖房を全開、ヒートシーターがついていたらもう快適。風は巻き込んでこないし、帽子をかぶって、グローブでもはめれば、冬だって意外に気持ちよくオープンエアドライブが楽しめる。