いまやファミリーカーはミニバンが最強とは限らない
ひと昔前は、「子供が生まれたらミニバンに買い換える」というのがお約束のようになっていたものです。幼稚園や学習塾の前には、お迎えの時間になるとズラリとミニバンが並び、休日のショッピングモールやレジャー施設もミニバンのオンパレード。窓にカーテンをつけたり、車内はクッションやカバーで家のリビングみたいにして、広い空間を余すところなく活用するのがファミリーカーの理想形とされていました。
ところが近年、幼稚園や学習塾の前に並ぶのは、ミニバンが減少してSUVが増えてきています。日産エクストレイル、マツダCX-5、スバルXV、ホンダ・ヴェゼル。ボルボXC60やBMW X3、MINIクロスオーバーといった輸入車勢もたくさん。まだまだ、トヨタ・ヴォクシーやシエンタ、日産セレナ、ホンダ・ステップワゴンやフリードといったミニバンも健在ですが、「ファミリーカーと言えばミニバンが最強」とは言い切れなくなってきました。そこで今回は、どんなファミリーがミニバン以外を選ぶべきなのか? さまざまなケースを考えてみたいと思います。
1)3列目席部分が広い荷室のほうが便利なケース
まずケース1は、3列シートにまったく魅力を感じないファミリーです。最近、もともとは3列シート7人/8人乗りしかなかったミニバンに、続々と2列シート5人乗り仕様が登場しているんです。というのは、「3列目のシート、いらないよね」というファミリーが増えているからなんです。5人家族以上なら3列目シートを使う回数も多いかもしれませんが、3~4人家族だとほとんど使う機会はありません。それなら、シートをなくしてもっと荷物がたっぷり積めるラゲッジがあった方が便利だよね、となるわけです。
年に1~2回の帰省時に3列目シートを使うだけ、というファミリーは悩ましいところですが、そのときだけレンタカーを借りるという手もありますので、ミニバンでなくてもいいのではないでしょうか。
2)子供が安全に自分でドアの開閉ができるケース
次にケース2は、スライドドアの恩恵がまったくわからない、というファミリーです。狭い場所でも大きな開口部が得られるため、大きな荷物を出し入れしたり、子供を抱っこしたまま乗り降りする際などにも便利なのがスライドドアですが、その恩恵が大きいのは子供が小学生くらいまでのこと。それ以降は、通常のヒンジドアでも子供ひとりで安全に開閉できるし、パッパッと素早く開閉できます。
スライドドアは面積が大きく重い分、ちょっと開閉に時間がかかるので、自宅の駐車場が狭いなどの理由がない限りは、ミニバンじゃなくてもいいかもしれません。