ゴルフ場からのボール落下による被害を防止するためのものも!
変わったところだと、東名高速道路の渋滞の名所としても有名な神奈川県の大和トンネルは、文化財ではなく、アメリカ海軍厚木飛行場の滑走路があるために作られた。厳密にはトンネル上に滑走路の延長線上で、離着陸時に事故が発生した場合の被害防止としてトンネル状にしてある。天井は分厚くはないので、衝撃に耐えられるかは不明だが……。つまりトンネルというよりも、防護用のフタと言ったほうが正しい。ちなみに、実際に墜落事故は起きているので、過剰な設備ではない。
野鳥の生息地が近くにあり、路上に降りないようにするためなど、自然保護のためにフェンス状のものも比較的多いが、同じ防護でも関越道の東松山付近にあるものは、ゴルフ場からのボール落下を防止しているというユニークな例だ。
そのほか、崖からの落石を防止するものは山岳部や海岸線沿いに多い。
気になるこれらの建設費については、基本的にあとから道を通したいということがほとんどなので、道路を作る予算に含まれる。つまり最終的には利用者負担となることも多い。
トンネルというのは、山を直線で越えるためだけのものではなく、さまざまな理由で建設される。ドライブ中に見かけたら、なぜ作られたのか調べてみるのもいいだろう。