WRカーのストリートバージョンは即日完売!
3)インプレッサ22B STI Version(ベース車:WRX TypeR STi)1998年 500万円(販売当時価格・税抜き)
WRC(世界ラリー選手権)においてWRカー部門3連覇を成し遂げた「インプレッサワールドラリーカー」のイメージをそのままストリートマシンとして再現したのが、STI初のコンプリートカーである「インプレッサ 22B STI Version」だ。
当時、WRカーのベースモデルとなった量産のインプレッサクーペは基本的に5ナンバーサイズのボディだったが、22BではWRカーさながらにボディを切り取り、ブリスターフェンダーを溶接するという手法でリヤのボディメイクが行われた。もちろんフロントフェンダーも専用品が奢られた。これによりボディ幅は1770mmまで広がり、WRカーのシルエットを再現する。この迫力あふれるボディに負けじと、エンジンは専用に2.2リッター水平対向エンジンが開発される(ベース車のエンジンは2.0リッター)。
最高出力こそ280馬力と規制値に収まったが、フラットトルクとハイレビングを両立した「EJ22ターボ」エンジンは、いまも史上最高のボクサーターボと評される。シャシー系ではビルシュタイン製ダンパーとアイバッハ製スプリングを組み合わせたサスペンションが与えられ、WRカーのイメージを受け継ぐゴールドのBBS製17インチホイールでフットワークを引き締める。まさにWRカーのロードモデルというべき伝説のモデルで、400台の限定販売ながら即日完売したというのも納得だ。
4)MUGEN RR(ベース車:FD2シビック) 2007年6月発表 455万円(販売当時価格・税抜き)
ここまで1990年代に生まれたワークスチューンのコンプリートカーを紹介してきたが、ホンダ系ワークスチューナーである無限は長らくコンプリートカーを手掛けて来なかった。その無限が初めて作ったコンプリートカーが、4ドアのシビックタイプR(FD2)をベースにした「MUGEN RR」である。
モータースポーツのフィードバックを実感させるエクステリアは、カーボンコンポジット製フロントバンパーやアルミ製ボンネットフードなどで軽量化を果たすと同時に、可変式カーボンリアウイングやディフューザーなどがマイナスリフトの空力性能を実現。エンジンはエキゾーストシステムとラム圧を利用する吸気系でグレードアップされ、ラム圧利用時には最大15馬力アップを実現するという。サスペンションは減衰力5段調整式の専用ダンパーが与えられるが、このマシン専用にブリヂストンと共同開発されたタイヤ「ポテンザRE070 RRスペック」に合わせたセッティングとなっていることは言うまでもない。インテリアではレカロと共同開発したセミバケットシートが特徴。ボディカラーは専用のミラノレッド一色の設定で、300台限定販売となっていた。