【試乗】「悪路」どころか「路」ですらない! ジープ・ラングラーの本物すぎる走りに衝撃 (2/2ページ)

2ドアのショートボディは軽快で振り回したくなる!

 今回のコースはなぎ倒された草木や砂利、深い泥濘路で歩行も困難なほどだったが、ラングラー・ルビコンの車内はフロアからの異音も振動もキシミ音も起こらず静かで快適。この悪路走破性の高さは本当に心強く感じられるのだった。

 自然災害で日本中いつ自宅前のいつもの道が濁流や倒木などで覆われるかわからない。非難するにも水深が深く、車両放棄しなくてはならない場面に市街地でも遭遇する。ジープ・ラングラー・ルビコンに乗っていれば助かったかもしれない事態はどこでも起こりえるのだ。

 ジープ社はこうした悪路走破性の高さを積極的に体験させる企画を勧めている。走破性の高さを備えていても、機能を正しく使いこなせなければ意味がない。300km/hの最高速度が出せてもサーキット以外では役に立たないが、悪路走破性は過剰なほどに感じてもいざとなったら心強い安心感に繋がる。

 もしかしたら国内の自然災害の多さがジープの好調な販売を後押ししているのかもしれないが、だとしたら「命を守る賢明な選択」をするユーザーが増えている、ということだ。

 ルビコンのもう1台は2ドアのショートボディタイプだ。軍用車として生まれたジープ本来のパッケージングを継承していて、短いホイールベースやショートオーバーハング、軽量さを活かして機動性を高めている。実際、コーナリングステージで2ドア・ルビコンは軽快な運動性能を見せて、ついつい振り回して走ってしまった。この軽快感は魅力的だ。

 後席への乗降性や乗り心地面は4ドアが上まわるが、2名乗車で悪路へ乗り込むなら2ドアがより好特性であることが確認できた。

 ただくれぐれも注意しておきたいのは、性能を試すのは専用コースに限る。近年は関東周辺にもいくつか専用オフロード施設が整っていて、自然環境を破壊することなくオフロード性能を試し、テクニックを磨くことができる。

 間違っても勝手に河川敷や林道を好き勝手に走り回ることがないよう、また自然災害を自ら見に行くなどしないよう責任をもって行動することも必要だ。


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
愛車
マツダCX-5 AWD
趣味
海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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