前後対称のような愛らしい外観デザイン
エクステリアはさすが電気自動車。開口部がないため、まるでモーターショーのコンセプトカーを見ているような、近未来的なデザインを感じる。開発陣はこれを「ツルピカ」デザインと呼んでいるらしい。
フロントの特徴は丸いライトとそこをつなぐグリルだ。さらにボンネット上にはあえて存在感を主張させたという充電&給電ポートのリッドが見える。前から眺めているとこれがストライプのように見えるので、ちょっとレーシーな雰囲気を感じてしまった。
リヤビューはフロントとまったく同じような丸いリヤコンビランプとそれを繋ぐパネルが特徴的だ。リヤハッチを開ける楕円のスイッチ部は、フロントではレーダーのリッドとして再現されており、前後対称にとことん心血を注いでいることがわかる。
サイドにまわると、ボディに収納されたポップアップ式のドアハンドルが確認できる。リヤドアもピラー部にハンドルが格納されていて、もちろん空力にも効果があるのだろうが、開発陣の説明ではデザイン要素を重視したというのだから面白い。「使いやすさなら通常のドアハンドル」という発言まで飛び出すあたり、ホンダらしさが帰ってきたと嬉しくなった。そうはいっても実際ドアの開閉を何度も行ったが、使いづらさを感じなかったことは、伝えておきたい。
もうひとつ、外観で目を奪われるのは、ドアミラーがないことだ。これは機能部品であるのだが、サイドカメラミラーシステムが採用されている。つまりカメラで後方の画像を映し出し、車内インパネの左右両端にあるモニター部に表示するというもの。レクサスESがいち早く実用化したものだが、Honda eでは全車標準でこの装備となる。
サイドカメラミラーシステムの利点としては、運転席サイドウインドウやミラーそのものが雨や雪で見えづらい場合、さらに夜間や夕暮れ時などでもでもクリアな後方視界が得られることにある。加えてドラミラーよりもカメラシステムのほうが圧倒的に小さいため、窓越しの斜め前方の直接視界がひらけることもメリットとなる。ちなみにこのカメラシステムは車体左右幅に収まっているため、畳む必要はない。
先ほど2グレードが用意されることに触れたが、Honda eは16インチ、Honda e Advanceは17インチタイヤを装着する。
今回のクルマを見ると、16インチはヨコハマのブルーアース-Aで、17インチはなんとミシュランのパイロットスポーツ4(PS4)を装着していた。フロア中央部に重いバッテリーを積むHonda eは、重心センターが低く、かつセンターマス化されているので、運動性能にも期待が持てそうだ。PS4の選択はその現れかもしれない。
ボディカラーは全部で7色を用意。
・プラチナホワイトパール
・ルナシルバーメタリック
・モダンスチールメタリック
・クリスタルブラックパール
・プレミアムクリスタルブルーメタリック
・プレミアムクリスタルレッドメタリック
・チャージイエロー
このなかでチャージイエローは新色であり、Honda eだけの色となる。