デメリットが目立ったり飽きられたりして短命に終わったものも
1995年の車検制度の規制緩和から、クルマのカスタム・チューニングの自由度は大きく広がり、身近なものになった。
同時にクルマの技術も進歩して、かつてはメジャーだったチューニングメニューがすっかり影が薄くなったモノもある……。そうした今ではちょっと懐かしいチューニングを少し振り返ってみることにしよう。
1)ウレタン補強
サイドシルなどボディの筒状になっている部分に、硬質発泡ウレタンを充填してボディを補強させる「ウレタン補強」というのが一時期注目され、流行ったが、クルマをぶつけたときの修理が大変、水分がたまって内部が錆びる、一度やったらやり直しがきかない。さらに、効果が「?」のモノもあったなどの理由で、今は大分廃れてしまった。
2)エアロホイール
1980年代に一時的に流行ったホイール。グループCのポルシェ956や962Cなどが採用した、ホイールの表面をフラットにし、空気抵抗を減らすことを狙っていたものだ。市販車用のホイールのチューニングでは、普通のアルミホイールにオプションのエアロキャップを付けるパターンがあったが、ブレーキの冷却性が低下したり、デザインが飽きられたりして、ブームはわりと短命で終わった。(写真はトムス・85C)
3)セミトラ・フルトラ
昔流行った点火系チューンのアイテム。エンジンの点火システムは、ポイント式からセミトラ、フルトラ、CDIと進化してきたが、昔は点火システムを交換し、昇圧させる力=点火エネルギーを高め、着火効率をよくしてパワーアップを図るのは賢いチューニングとされてきた。同時にプラグコードをハイテンションコードに交換するのも流行ったが、今はノーマルもダイレクトイグニッションになったりして優秀なので、いじる人は少ない。
ただ、R32、33、34の第二世代GT-Rに、R35GT-Rの点火コイルを流用するなどのチューニングは今でも有効とされている。