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本当にホンダの「復活」と喜んでいいのか? N-BOXに続きフィットもバカ売れする「裏」にある「ブランド」の変化 (2/2ページ)

本当にホンダの「復活」と喜んでいいのか? N-BOXに続きフィットもバカ売れする「裏」にある「ブランド」の変化

従来型から新型フィットに乗り替える人も多い

 2017年以降、国内の販売1位はホンダN-BOXが守り続ける。2020年上半期(1〜6月)のトップ3車は、N-BOX、スズキ・スペーシア、ダイハツ・タントで、すべて全高が1700mmを超える軽自動車となった。

 このなかで最近順位を高めた車種がホンダ・フィットだ。トヨタのライズ、ヤリス、カローラシリーズと同じく、小型/普通車の販売上位グループに位置する。

 フィットの売れ行きを販売店で尋ねると、以下の返答だった。「フィットは従来型も好調に売れたから保有台数も多い。そのお客様が新型に乗り替えている。子育てを終えたお客様がミニバンのフリードやステップワゴンからフィットに乗り替えたり、軽自動車からの上級移行も見られる。新しいe:HEV(ハイブリッド)の滑らかな走りと低燃費も注目されている」。

 フィットが人気を高めた背景には、安全装備や環境性能の向上、消費税率の上乗せなどにより、クルマの価格が全般的に高まったことも挙げられる。2000年頃に売られていた6代目アコードセダン1.8VTSの価格は179万8000円(当時は税抜表示)だったが、今はフィットに1.3リッターノーマルエンジンを搭載する売れ筋のホームが171万8200円(10%の消費税を含む総額表示)だ。

 ファミリー層を中心に、今も昔もクルマの購入予算を200万円前後に設定するユーザーは多い。そこにピッタリ収まるホンダ車は、20年前ならアコードセダンの1.8リッターエンジン車で、今はフィットの1.3リッター車になった。

 ちなみに日本の平均所得は、1990年代後半をピークに下がり、今でも20年前の水準に戻っていない。つまりクルマは値上げされて所得は下がったから、小さなクルマに乗り替えるユーザーが増えた。

 とくにフィットは空間効率が優れている。全長は4m以下で、全高も立体駐車場を使える高さに抑えながら、車内はミドルサイズセダン並みに広い。20年前のアコードセダンと比べれば、室内空間は現行フィットが上まわる。後席も快適でファミリーカーとしても使いやすく、フィットは2020年2月に登場した現行型で人気を盛り返した。

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