小型化と併せて目立たないようにする工夫がなされている
エアバッグを世界初で装備したのは1981年に登場したメルセデス・ベンツのSクラス。日本車では1987年に登場したホンダのレジェンドで、一時話題になったタカタ製を搭載していた。
1990年になると続々と普及が進んだが、当時をご存じの方なら覚えているだろうが、とにかく大きかった。ハンドルのセンター部分やインパネに設置されているのは今と変わらないが、いかにもここに入れてあります的な形だったり、出っ張りぶりだった。安全のためには仕方がないとは思いつつも、格好はよくないなというのが正直なところだった。
それがいつの間にか目立たなくなったのは、各エアバッグメーカーや自動車メーカーの開発努力の賜物だ。モジュールと呼ばれる本体を小さくするポイントはふたつあって、まず爆発させて膨らませるインフレーターと呼ばれる部分の小型化。そしてバッグ部分については折りたたみ方がポイントになる。当然、バッグ自体を小さくすれば小型化は可能だが、安全上、基本的にはそれはなしだ。
車体側ではデザインも含めて、目立たない工夫や設計がされるようになっているし、その昔はいかにも「ここから開きます」的に切り欠きが入れられていたりした。現在はそこまでしなくてもうまく開くようになっているので、小型化と併せて目立たないようにすることに貢献している。
開発の担当者に聞くと、現在でも小型化の努力はなされていて、見た目的にはもう問題なくても内部構造にさらなる余裕が生まれるため、今後もさらにその流れは進むのは確実だろう。