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即完売が当然! 中古車は4000万! 超絶人気の「STI限定車」でも売り切れなかったモデル3台 (2/2ページ)

即完売が当然! 中古車は4000万! 超絶人気の「STI限定車」でも売り切れなかったモデル3台

22Bの「極上物件」はついに4000万円を超えた!

 STI限定車の人気は凄まじい。モデル末期となったWRX S4ベースの「STI  STI Sport #」は、コロナ禍でも限定の500台を2週間ほどで売り切った。去年の秋に発売された「EJ20ファイナルエディション」は24倍以上もの倍率で抽選販売となったことが記憶に新しいところだ。

 中古車の相場を見ても、「S206」以降のSシリーズは高騰しており、それ以外の「tS」などの限定車も高値で安定。伝説の「インプレッサ22B STiバージョン」においては、米英など海外での人気により、程度極上物件がついに4000万円を超えるという尋常ならざる事態となった。22Bが「億」を超えるのも時間の問題かも知れない。

 STIの限定車は、仕様の内容や販売頻度についての賛否が問われることはあるものの、マニアから「乗り味面で裏切られることはない」と絶大な信頼を受けている。30年以上におよぶSTIの歴史のなかで、販売面では苦戦することがあっても、性能や乗り味面で駄作と評されたモデルは過去に1台もない。全車に共通する走りのクオリティの高さが、STI限定車のブランド力を向上させた。

 そんなSTI限定車のなかでも、販売面での苦戦により、予定していた台数に達することなく終わったモデルがいくつか存在する。ここではSTIの限定車なのに販売面で低迷した悲運の3台をピックアップし、販売面で苦戦した理由について振り返ってみよう。

1)S201

 今では売れば直ちに即売するマニア羨望の「Sシリーズ」も、記念すべき第一弾の「201」は商売的にコケることから始まってしまった。まだSUBARUがWRCでの最強ワークスとしてのイメージが強く、当時のファンの多くはラリーに熱中していた時代に、あえて新しい方向性を提案する狙いでレーシングカーをイメージしたエアロパーツを装着。「スバルのスポーツモデルはラリー一辺倒ではない」ことを演出した挑戦的なモデルで、富士重工の航空宇宙事業部が入念な空洞実験により設計したエアロダイナミクス性能を誇る前衛的なエアロパーツは確かな性能を発揮したが、当時のスバリストの心にはあまり響かず、不人気車のレッテルを貼られる結果となった。

 限定台数は300台だが、筆者の知る限り200番台のシリアルナンバーを付けた個体は流通していないので(生産はされた模様)、おそらく百数十台しか売れなかったと推察。販売期間は限定ではなかったため、公式には完売となっている。これ以降のSTI限定車は、基本的に受注生産となった。

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