性能面では問題ないが「乗り味」に「特徴」がでることはある
R35GT-Rでは、ふたつのタイヤメーカーが標準タイヤとしての性能を満たし採用された。だが、それぞれ乗り味は異なり、しなやかな乗り心地のタイヤ銘柄は、元レーサーがサーキット走行をした際のラップタイムでも上まわり、ランフラットタイヤの課題を高度に解決していたといえる。もう一方のタイヤ銘柄も、日産の基準は満たしていたが、運転するとやはり乗り心地はやや硬めで、同じサーキットでのラップタイムも劣ったのであった。
タイヤはそのように、メーカーごとに性能のみならず感触も異なる面白い自動車部品である。そこは、一般の乗用車でも、タイヤ銘柄を変えるだけで雰囲気の違いを感じることができるだろう。また、唯一路面と接する自動車部品であり、なおかつ走行を重ねることで摩耗していくため、摩耗すれば性能が劣化する。したがって、タイヤ銘柄を変更しなくても、摩耗したタイヤから新品タイヤへ交換するだけでも、運転や乗り心地の感触は大きく変化するのである。極端にいえば、何年も乗ってきたクルマが、タイヤを交換するだけで新車に近い感じに戻ると思えるほどだ。
車検の際に、溝が減っているので一番安いタイヤに交換するという経済的視点だけでなく、毎日乗るのであれば、次の車検まで快適に乗り続けられるタイヤを選ぶことも、クルマとのいい関係を続ける秘訣だ。