20年落ちの旧車が「1000万円」超え! R34GT-Rにそこまでの「価値」はあるのか? (2/2ページ)

いまのR34GT-Rの価格はクルマの程度から考えると高すぎる!

 さて、この3つの価値の総和として、現在R34GT-Rには1000万円というプライスがついているのだが、これは妥当なのかというとけっこう疑問……。正直コンディションのいい個体は少なくなってきているし、メンテナンスが必要な個所はどんどん増えていて、維持にはけっこうお金がかかる。

 さらにR34自慢のアクティブLSDのパーツや、トランスファー、リヤのドライブシャフト、フューエルポンプコントロールモジュレーターなどの重要な補修部品が製造廃止になっていたり、NISMOヘリテージで再販になったパーツも、軒並み高価になっていたりと、これからもコンディションを維持していこうと思うと、それなりに高額な維持費を覚悟しておく必要があるだろう。

 トヨタ2000GTのように、生産台数が337台と僅少で、工業製品というより工芸品といえるほど手がかかっているクルマならともかく、よほどR34GT-Rに思い入れがない限り、1000万円以上で車体を購入し、そこから整備していくぐらいなら、もっと程度がよく、より価格の安いポルシェの中古車でも買ったほうがよほどお買い得だと思うのだが……。

 投機目的で購入するにしても、たしかにアメリカの25年ルールで値上がりすることも考えられるが、新型コロナウイルスの影響で、これから世界的に経済が低迷する可能性も高く、そうなると高価な中古車などは、真っ先に下落するリスクは大いにある!

 また、乗らないで大事にとっておくという手もあるが、クルマは動かさないと傷むもの。「惚れてしまえばあばたもえくぼ」というとおり、本当にそのクルマが好きなら、懐事情が許す限り、いくら費用をかけようがその人の自由だと思うが、客観的にみるといまのR34GT-Rの相場はアンバランスとしか思えない。

 いま、R34GT-Rを所有しているオーナーには、コツコツとメンテナンスしながら、走りを楽しんでもらいたいと思うが、これから1000万円以上出してR34GT-Rを購入しようとしている人は、けっこうリスキーな買い物になると考えた方がいいのでは?


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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