編集長からの指令は……クルマじゃなくて船の試乗! 若手女性編集部員が船外機を初体験 (2/2ページ)

「3密」も防げるいまの時代にピッタリのアクティビティ!

 数分経ったころ、操船に慣れてくると、ようやく周囲の様子にも目を向けられるようになる。東京生まれ東京育ちの私にとっては見慣れた光景のはずなのだが、普段はクルマで通っている橋を真下から見たり、大きな水門を抜けたり、歩道よりも目線が下にあるため、マンションやビル街がさらに大きく見えたりと新たな景色を満喫することができた。

 辰巳付近を折り返し地点とし、二人乗りボートから四人まで乗れるボートへと移動する。ここで登場するのが国沢さんが所有しているクルーザーだ。ボートからボートへ移る一瞬だけ、国沢さんが操縦するクルーザーに乗ったが、さすが大きな船! 安定感はバツグン!

 クルーザー経由でボートを乗り換えたあとは、また夢の島マリーナへ向けて出発! 私篠田も、さすが復路は操作に手慣れてきて、快調に進んでいく。今回は試乗なので、思い切ってスラロームにも挑戦! 右へ左へと自由に舵を切ることができ、多少の波があるところでもスイスイとボートを動かせるようになっていた。

 試乗中、ボートやBF2に関する基礎的な知識も色々と教えてもらった。じつは同じエンジンでもボートの形によっても進む速さが異なるとのこと。先に乗っていた二人乗りのボートのほうが速いらしいのだが、今回の試乗でフィーリングの違いを聞かれても……正直、素人の私にはよくわからなかった。

 また、BF2は空冷エンジンのため、エンジン内部を海水で冷却する水冷エンジンと違って使用後のお手入れも簡単。これは創業者である本田宗一郎氏の「水上を走るもの、水を汚すべからず」という環境への配慮を考えた思いから生まれたものだ。

 クルマと同じように遠くに目線をやることで、大きな船が来るのを事前に察知したり、真っ直ぐボートを進ませたりするのにも役立った。クルマの運転と同じだと思うと、親近感が湧いてくる。

 最後にはひらけた場所でカモメの餌やりも体験することができた。遊覧船などにあるものと同じだが、人に慣れていない鳥たちは少し警戒気味。それでもボートを少し移動させると素早く餌を取りにくるので、東京のど真ん中でありながら、間近に自然を感じることができた。

 今回、初めて船外機付きのボートを自分で操船してみて感じたのは、「とにかく楽しい!」ということだ。家に引きこもっているばかりではなく、外に飛び出して新しいことにチャレンジするワクワク感を思い出すことができた。

 BF2は小型なエンジンであり、メーカー希望小売価格(消費税込み)13万4200円〜14万800円と値段もお手ごろ。まさにエントリーモデルの定番といえる。一般的には釣りのニーズが高いそうで、全体の7〜8割にも及ぶという。たしかに小型で小回りも効くので湖や池、湾内などで大活躍しそうだ。船外機は釣具店やネットなどで購入できるとのこと。ソーシャルディスタンスを求められるいまの時代にピッタリの、密にならないアクティビティのひとつとして取り入れてみるのはいかがだろうか。

 もちろん、操船するにはある程度の知識や技術が必要なので、事前に日本マリン事業協会が発行しているガイドブック「ミニボートの基礎知識」や、国土交通省海事局制作の「ミニボートに乗る前に知っておきたい安全知識と準備」などで事前に準備したうえで安全なボートライフを楽しんでほしい。


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