軽では異例のニュルブルクリンクでの走り込みを行ったモデルも!
3)ホンダ・ビート
先に紹介したAZ-1とともに平成ABCトリオのBを担ったのがホンダ・ビートだ。こちらもAZ-1と同じくミッドシップにエンジンをマウントするモデルであるが、ガルウイングドアを備えたAZ-1に対してビートはオープンモデルとなっていた。趣味性の高いモデルということを逆手にとって、センターコンソールを助手席側におよそ2cmオフセットさせており、ドライバー優先の室内空間となっている。
そして、ビート最大の特徴もまたエンジンだ。当時の自主規制値である64馬力を発生していた他社のスポーティモデルが軒並みターボエンジンだったのに対し、ビートは唯一NAエンジンで64馬力を達成している。NAエンジンで自主規制値に達したのは現在に至るまでビートのみであり、最大トルクこそターボ車に劣るものの、パワーバンドをキープして走る楽しさは数段上のレベルにあったのだ。
4)スバル・ヴィヴィオRX-R
アルトワークスやミラTR-XXといったライバルがひしめく軽ホットハッチカテゴリに飛び込んだヴィヴィオ。エンジンはターボを備えるライバル車とは異なり、実質的な先代モデルであるレックスから引き継いだスーパーチャージャーを搭載したものを採用していた。また、3気筒が主力だった軽自動車であったが、ヴィヴィオは4気筒エンジンを搭載していたという点も見逃せない。
開発においては軽自動車としては異例のニュルブルクリンクでの走り込みも行ったと言われており、高いシャシー性能も相まって高い戦闘力を持ち合わせていた。実際、サファリラリーにも参戦しており、一時はトヨタワークスのセリカをも上まわる総合4位を走行したほど。残念ながらその車両はリタイアとなったが、別のヴィヴィオがクラス優勝を果たしており、その実力は折り紙付きであった。