夏はバッテリー上がりが起こりやすい
クルマにとって、夏といえばバッテリー上がり! JAFのロードサービスの出動理由を見ても、2019年のお盆の時期の出動理由第一位は、過放電バッテリー(全国で19,100件 全体の29.48%)。夏は気温が高いのでバッテリー液の比重が低くなる。そしてエアコンの使用で多くの電力を消費し、渋滞にハマれば発電量が減る。おまけにブレーキランプもけっこう電力消費が多いので……。こうした事情から夏はバッテリーにとって過酷な季節で、バッテリー上がりが多くなる。
バッテリーを上げてしまった場合、ブースターケーブルさえ持っていれば、ジャンピングスタートでエンジンをかけられるわけだが、このブースターケーブルのつなぎ方には、ルールがあるのはご存じだろうか。
正しいブースターケーブルのつなぎ方とは、
1.上がったクルマのプラス
2.救援車のプラス
3.救援車のマイナス
4.上がったクルマのマイナス(端子ではなくエンジンの金属部分など)
バッテリーを一時的に充電するだけなら、プラス同士・マイナス同士を接続するだけで、順番なんて重要じゃない気もするし、実際、順番を気にせずジャンピングスタートをしたことがあるという人も、少なからずいるのではないだろうか。
ではなぜ、バッテリーメーカーやJAF、業界団体などが、この順番を重視するのか?
それは、バッテリーの「引火爆発」を防ぐため。「引火爆発」というと穏やかではないが、バッテリーは充電中、電解液中の水分が電気分解し、酸素と水素になって外部に放出される。この水素にブースターケーブルを接続したときの火花で引火するリスクを抑えるのが、上記の接続手順の目的なのだ。
経験者ならご存じだろうが、ブースターケーブルで二台のクルマのバッテリーをつなぐと、最後に電流が流れ、パチッとわずかに火花が飛ぶ。この火花、じつはどういう順番でつないでも発生すると思っていい。