もはや永遠のテーマになりそうな集合住宅の充電器設置問題
くわえて国内には、マンションなど集合住宅の管理組合問題という難題が控えている。集合住宅の駐車場に、200Vの普通充電コンセントや充電器を設置できない状況があるのである。駐車場やエレベーター、玄関ホールなどは、居住者が共同利用する場所であり、そこに何だかの手を加える場合、住民の代表が集まって運営・管理を行う管理組合で合意を得る必要がある。
ところが、駐車場に充電コンセントなどを設けようとしても、管理組合の賛成が得られないのである。理由はさまざまなようだが、なかには「自分に関係ないことだから反対」という感情的な理由で拒む考えがあり、理屈ではないため解決策が得られないでいる。
一方、新築マンションでは、これからの時代に向けて充電設備があるほうが価値は高まるとの考えもあり、デベロッパー(開発業者)のなかには建設時に設置する動きもある。それでも、数多い既存の集合住宅では、大多数が管理組合の反対で充電ができないことから、住民のなかでEVやPHEVを購入したい人が、購入できずにいるのである。
初代リーフのころ、購入者の9割が戸建て住宅に住む人であった。その状況は現在もあまり変わっていないだろう。この点においては、日本の自動車メーカーの技術や意欲の問題ではなく、自己中心的な住民の意識がEVやPHEVを拒んでいるともいえるのである。