カーボン化することで外装部品だけで10kg以上軽量化したモデルも
クルマ好きがピクッと反応してしまうマテリアルのひとつに、『カーボン』がある。
「カーボン」そのものは本来炭素のことで、自動車や航空機の部品の材料としてのカーボンは、「炭素繊維強化樹脂」=CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plasticsの略)で「炭素繊維強化プラスチック」ともいわれている。
こうしたCFRPの主な特徴は、
・軽量
・高強度(強さ)
・高剛性(たわみにくい)
にあり、さらにアルミや鉄だと、強度の温度依存性が大きいが、エポキシ樹脂を炭素樹脂(カーボン繊維)で強化し、オートクレープで加圧し、加熱硬化したECC(エポキシ・カーボン・コンポジット=通称ドライ カーボン)は、耐熱性が抜群で、強度も非常に優れている。
軽くて強い素材なので、強度、剛性を確保しながら軽量化するには最適のパーツで、例えば日産GT-R NISMO 2020は、ルーフ、フェンダー、トランクリッド、エンジンフードなどをカーボン化して、外装部品だけで10.5kgも軽量化を達成している。
また熱への強さもいかし、レーシングカーのブレーキローターなどもカーボン製が増えてきている。前述のGT-R NISMO 2020にも、カーボンセラミックブレーキが採用され、ブレーキひとつにつき、4kgもの軽量化を実現している。
またレース用の部品でいえば、ノーマル(スチール)のドアをカーボン製にすることで、10kg以上、約1/4も軽くなった例がある。
その反面、カーボンパーツは製造コストが非常に高く、部品代が非常に高価になるのが難点。たとえば、アルピーヌ A110Sのオプションのカーボンファイバー製ルーフは、約30万円! その結果得られる重量は、-1.8kgという超ゴージャス・ダイエット……。