ランクルは水深70cmの川を渡ることができる!
絶対的な走破性ではランクル有利といえるだろう。さらに、ランクルには車高調整機能があり、悪路走行用のハイモードを選ぶとフロント50mm、リヤ60mmも車高アップができる。
さらに、ジムニーは公表していないが、ランクルは登坂能力45度、最大渡河性能700mmといった驚異的なスペックを持っている。ジムニーにしてもエアクリーナーから水を吸ってしまわないように高い位置に吸気口をレイアウトするなど工夫はしているが、さすがに700mmの深さの川を渡るのは厳しいだろう。
もっとも、これらはノーマル状態での話であって、改造を前提にするともっと踏破性を上げることができる。車高を上げることもできれば、シュノーケルを装備して渡河性能をアップすることもできる。タイヤを大きくしたり、悪路でグリップするラグタイヤにしたりといったラフロードに合わせたカスタマイズを施せば、もっともっと走破性を高めることができる。そうしたカスタマイズパーツやメニューでいってもランクルとジムニーともに充実している。その点でもいい勝負ができるといえそうだ。
走行中に災害にあってしまったときに、危険な状況から脱出するのであれば性能を引き出して走行するのは仕方がないといえるが、クロカン4WDだからといって危険な状態に嬉々として飛び出していくのはNGだ。たとえ700mmの渡河性能を持っていたとしても、それは勢いよく流れている荒れた河川を渡れるという意味ではなし、浸水している市街地では水の中にどんな障害物があるかもわからない。その意味では、どんなに走破性が高くても、リアルワールドで性能を引きだそうとすることは命知らずな行為といえる。
ランクルやジムニーの走破性というのは、万が一の状況で命を守ってくれる。だからこそ、あえて危険な状況に飛び込んでいく必要はない。どんなにカスタマイズして走破性を高めたとしても、その性能を発揮するのはオフロードコースなど安全が確保できるところに限っておいたほうがいい。