「左車線回帰」が始まった! コロナ禍で変化する最新「タクシー」事情 (1/2ページ)

お客を逃さないよう一番歩道寄りの車線を走るよう教えられる

 都内において道路端でタクシーに乗ろうと待っていると、進行方向に複数の車線のある大きな道路で、空車なのに中央車線を走っている車両が目立っている。新人タクシー乗務員のころには座学の研修だけでなく、同乗研修などでも“空車時は歩道側(第一走行車線)を走るように”と指導されている。

 道路端でタクシーに乗りたいお客がいるのだから、当然と言えば当然の話。筆者は意識して“こんなところでタクシーに乗るひとは少ないだろう”といった場所でタクシー待ちしているので、その場合は乗務員も“こんなところにお客はいない”と油断して中央側の車線を走行しているケースが多いようだ。

 だが夜間などは繁華街など、より“上客”が期待できる場所へ急いで向かいたいとする乗務員なども、中央よりの車線を空車で走っているようだ。ビフォアコロナのころは、“回送”表示にして自分の稼ぎたい場所へ向かう乗務員も目立っていたと聞くが、いまはそこまでお客を選んでいられるとは思えないのだが……。

 ここ最近、中央寄り車線を走るタクシーが目立っているように感じるのは、やはりウィズコロナの時代となったことで利用客が減少傾向にあり、乗務員の心に余裕がなくなってきているのかなあとも感じている。

 ちなみにタクシー乗務員は、とくに流し営業(通りで手をあげたお客を乗せる)の多い都市部では、空車時はつねに歩道側を意識して運転しているので、わかりやすくいえば、“やや左斜め前をチラ見”状態で運転しているといってもいいだろう。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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