ラベリング性能にも近いがUTQGは歴史のある基準だ
2)「TRACTION」(トラクション)
トラクションは、濡れた路面での牽引性能。AA、A、B、Cの4段階評価で、AAが最高。Cが最低となる。
これは基本的に直線コースのブレーキテストに基づいた評価で、ウエット加速、ウェットコーナリング、ハイドロプレーニング現象などの性能は考慮されていない。
日本でも、低燃費タイヤに「ラベリング制度」が採用され、ウエットグリップ性能をa~dまで4段階、転がり抵抗係数を5段階で評価していて、それに似ているともいえるが、UTQGは1970年代から。日本のJATMAのラベリング制度は2010年1月以降とかなり遅れている……。
3)「TENPERTURE」(テンパチャー)
テンパチャーは、耐発熱性のこと。これは室内のドラム試験機でテストして、タイヤの温度上昇に対する抵抗性能を測定したもの。
テンパチャーの温度等級は、A、B、Cの三段階。タイヤは高温状態が長く続くと品質が落ちて寿命が短くなる。C等級はアメリカの連邦自動車安全基準No.109によってすべての乗用車タイヤに義務づけられている最低基準で、BやAはそれ以上の性能のタイヤということになっている。
タイヤの性能はこの3つだけで決まるものではないが、タイヤは安い買い物ではないので、せっかくならこれらのデータも参考にするといいはず。
とくに摩耗のしやすさの指数=トレッドウェアは、長持ち具合とグリップ力の目安にはなるので注目したいし、こうした客観的なタイヤ性能の評価は、日本のメーカーももっと積極的に公表して欲しいところだ。