引いてるクルマに「衝突」で事故の上乗せも! 憶えておくべきクルマ故障時の「牽引」の方法とは (2/2ページ)

故障時以外は牽引免許がないと違反!

 そして忘れがちなのが、クルマによって牽引の準備が必要ということ。ATやフルタイム4WDは強制的に逆回転させられることになるので、最悪の場合、故障してしまう。また最近増えている自動ブレーキなども解除しておく必要があったりする。そのため、取り扱い説明書には必ず「牽引時の注意」といった項目があるので、それに基づいてセレクトレバーを「N」にするなどの対応をしておこう。

 動き出したら、前後でうまく間隔を調整して、注意しながら進む。とくに必要以上にたるませると伸びたときの衝撃で切れることがあるので、できるだけテンションがかかった状態をキープすることが大切だ。その際、ブレーキが重要になるが、エンジンがかかるのであれば、ブースターを作動するためにエンジンはかけた状態で引っ張ってもらう。ブースターがかからない状態というのはあまり体験したことがないかもしれないが、相当利きが悪くなるので心してペダルを踏んでほしい。さらにコーナーでは車両の位置によってはロープが内側に入り過ぎて路肩に当たる可能性もあるので、ステアリング操作にも注意が必要だ。

 法定速度も牽引される車種などによって異なるが、普通乗用車同士であれば40km以下で走行するように定められていて、このため高速道路では最低速度違反になってしまうため牽引はできない(そもそも危険)。

 最後に法律的な解釈だが、じつは750kg超(荷物なども含む)のクルマを引っ張る際は牽引免許が必要。今どきのクルマは、軽でもほぼすべてが超えてしまうが、故障時は除くとされているので、ユーザー自ら行なっても問題はないということになっている。そうなると、故障していないクルマを引っ張るのは違反だし、車検が切れているから移動させるのもダメで、無車検車運転としてかなり厳しい処罰がなされてしまう。なんでもかんでも引っ張れるというわけではないのだ。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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