【試乗】ハンドリング性能が大幅向上! 日産リーフNISMOが2020年モデルに進化 (2/2ページ)

まるで欧州スポーツセダンに乗っているかのような走りを披露

 さあ、ここまで知れば走って確かめなくても20MYモデルの実力が察せる。実際専用クローズドコースで走らせると、その走りの良さに脱帽させられるのだ。

 EVであるリーフは、バッテリー重量により車重が大きい。もともとフロア下の低い位置に重いバッテリーを搭載するリーフは低重心で運動性能は高かったが、スポーツ性を高めようとすると重量はつねにネックとなる。そのネガティブな要素をニスモはチューニング技術によって覆い隠し、優れたハンドリングを獲得することに成功したというわけだ。

 走りだすとスロットル操作にリニアに呼応する動力特性で扱いやすい。トランスミッションがないのでシームレスな加速がどこまでも静かに繋がっていくのはEVならではだ。コーナーに向けてブレーキングするとしっかりとしたペダルフィールが感激もので、少ないペダルストロークで制動Gを思うままにコントロールできる。その際に車両姿勢はフラットで固められたサスペンションチューニングの効果が生きている。

 さらにコーナー出口からの加速時には、リヤの沈み込みも抑制されていて前輪にトラクションが十分にかかる。VDC(ビークルダイナミックコントロール)など電子制御システムの介入が少なく、高いトルクをスポイルしない。

 高速直進時のステアリングセンターの落ち着きもよく、まるで欧州のスポーツセダンにでも乗っているかのような錯覚を覚えた。

 ニスモは車両重量の大きさが運動性能に与える影響をモータースポーツを通じて深く理解しており、20MYもより大きなバッテリーを搭載し航続距離を拡大させたリーフe+をベースに選ばなかった。それはファン・トゥ・ドライブを高レベルで実現するための決断であり、結果としてリーフNISMOの運動性能を飛躍的に高める事に成功していた。


中谷明彦 NAKAYA AKIHIKO

レーシングドライバー/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

中谷明彦
愛車
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趣味
海外巡り
好きな有名人
クリント・イーストウッド、ニキ・ラウダ

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