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登場するや否や大人気! 「売れすぎ」トヨタ新型ハリアーの数少ない「死角」とは (2/2ページ)

登場するや否や大人気! 「売れすぎ」トヨタ新型ハリアーの数少ない「死角」とは

新型ハリアーは高級サルーンとも言えるキャラクターとなった

 RAV4、ハイランダー(北米向け)に続く、トヨタ最新のGA-Kプラットフォームを使う都会派クロスオーバーモデルが、初代から日本で絶大なる人気を誇る新型ハリアーだ。都会の道や高級ホテルのエントランスさえ似合うエクステリアデザインの高級感溢れるスタイリッシュさ、トヨタの高級サルーンを思わせる上質感に満ちた室内空間、主力のHV FF車で、実燃費に近いWLTCモードで22.3km/Lというクロスオーバーモデルとしては飛びぬけた燃費性能、そして、トヨタ初の音声で「空を見たい」とボイスコントロールに発声すれば、調光・透過を一瞬にして切り替えられる調光ガラスルーフ、前後方向録画機能付きのデジタルインナーミラー、まるでノートパソコンが目の前にあるような12.3インチの大型ワイドディスプレイ(純正ナビ)、さらには最新のトヨタセーフティセンスなどの装備を用意し、まさに新しさ満載の新型ハリアーなのである。

 振り返れば、先代RAV4は、同じプラットフォームを使うハリアーとの自社内競合を避け、日本では発売されなかった。キャラクターがかぶっていたのがその理由のひとつだが、現行型の5代目RAV4が、アドベンチャーグレードに代表されるように、オフロード色、クロスカントリー色を強めた結果、都会派クロスオーバーモデルの新型ハリアーと共存することが可能になったのだ。

 そう、新型ハリアーは、SUVというより、背の高いクーペシルエットを持つ、トヨタの高級サルーンと言ってもいいキャラクターに突き進んだのである。それを象徴するのが、リヤボディのスタイリッシュな絞り込み。SUVはアウトドアなどで使う大きな荷物を余裕で積みこめる荷室を持つのが当たり前だが、新型ハリアーの場合、ズバリ、荷室容量を重要視していない。

 具体的に荷室容量の数値を示すと、先代ハリアーが456リットルのところ、新型は409リットルに減少(カタログには記載なし!!)。RAV4が580リットル(デッキボード下の数値/上にすると540リットル)、CR-V 561リットル(5人乗り)、エクストレイル565リットル、フォレスター520リットルと比較すれば、日常的な荷物の積載に困ることはまったくない荷室寸法ながら(後席使用時の奥行約975mm、幅最大1240mm、最低天井高700mm)、荷物の積載能力にこだわったクロスオーバーモデルとは言い難い。使い勝手面での数少ない死角があるとすれば、そこである。もっとわかりやすく言えば、先代はゴルフバッグ4セット積載可能だったものが、3セット積載可能にとどまる(4人が1台のクルマでゴルフに行くことはまずないだろうが)。

 ガソリン車とHVの2種類のパワートレインを持つのは当然として、RAV4のアドベンチャーグレードに用意される、オンロードの曲がりやすさはもちろん、悪路走破性を飛躍的に高めるダイナミックトルクベクタリングコントロールを採用していないのも、最低天井高190~195mmを確保しつつも(RAV4 200mm、CR-V 190~200mm、エクストレイル205mm、フォレスター220mm!!)、オンロードメインのクロスオーバーモデルとしての位置づけを明確にしているのである。

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