「ドアがあっても座席がない」「ぶつける前提のボディ」日本人の発想が追いつかない輸入車「珍装備」5つ (1/2ページ)

装備にも「お国柄」は現れる!

 クルマ選びの最初の段階で、国産しか候補にあげないというユーザーは少なくないでしょう。たしかに購入できるディーラーや、輸入車に強い整備工場は限られていますし、全国津々浦々で考えると国産車を選んだほうが安心かもしれません。

 しかし、輸入車でなければ味わうことのできない世界があるのも事実です。輸入車には国産車とは異なる「定量化するのが難しい独特の空気感」を持っているという部分を魅力として捉えているユーザーも多いことでしょう。また、輸入車ならではの装備というものもあったりします。グローバル化が進んでも、やはり生まれた国の影響を受けるものです。お国柄から優先順位の高いアイテムがあったり、その逆に機能に対する割り切りがあったりします。

 そうしたバックボーンにある影響を感じるのも、また輸入車を選ぶ理由なのかもしれません。ここでは、そうした視点からユニークな装備を持つ輸入車5モデルを選んでみました。

1)シトロエンC3(エアバンプ)

 まず紹介するのは、ユニークな輸入車といえば、イの一番に思いつくブランド「シトロエン」のコンパクトカー「C3」です。内外装の各部にアクセントを配したヴィヴィッドなカラーリングもお洒落なムードを高めますが、なによりユニークなのがドアサイドに貼られた「エアバンプ」でしょう。軽い接触からボディを守るという機能性アイテムでありながら、より大胆なデザインとすることで、シトロエンならではの個性を演出します。

 縦列駐車でバンパーをぶつけるのも当たり前というのがフランスの自動車文化。「エアバンプ」が生まれた、そうした背景も考えると単なる個性的なスタイリングを味わうだけでなく、異なる文化に触れる経験という意味合いもあるのだなあ、と感じられることでしょう。

2)ジープ・ラングラー ブラック&タン(ソフトトップ)

 続いて紹介するのは「ジープ・ラングラー」に登場した150台限定の特別仕様車「ラングラー・ブラック&タン」。標準のラングラーは3分割にして脱着可能なハードトップ「フリーダムトップ」を備えていますが、この特別仕様車はブラックの車体にタンカラーのソフトトップを組み合わせているのが“特別”な装備となっています。

「フリーダムトップ」も前席の部分を取り外すこともできますが、こちらのソフトトップはスパッと折り曲げるようにオープン化できるようになっています。そうなると「気軽にオープンが楽しめる」と言いたくなりますが、そうは問屋が卸しません。メーカーによるソフトトップの開閉方法では、大人の男性(背の高いアメリカ人)が二人がかりで行なうことが推奨されています。つまり、なんのアシストもない手動開閉式なのです。開閉した状態もかなりワイルドで、まさにアメリカンというイメージそのまま。もっと洗練されていたほうが便利なのは間違いありませんが、このワイルドな感じもジープ・ラングラーらしいと思わせるのは、国産車で味わえない世界観ではないでしょうか。

※参考動画(https://www.youtube.com/watch?v=I6W5XMOK8i4


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

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