ホイールの後処理も大変! 画期的に見える「パンク修理キット」のもつ「ネガ」要素 (2/2ページ)

パンク修理キットで対処したタイヤをそのまま使える可能性は低い

 内部に注入された液剤は穴を塞いだ部分以外は固まることなく、簡単に言うとチャポチャポと中で動いている状態だ。後で取り除けばいいと思うかもしないが、要は固まっていないゴムみたいなものなので、本格的に直すときに苦労するのもデメリット。タイヤの内側、そしてホイールも液剤でベタベタになっているので取り除くのはかなり面倒だ。

 きれいにしたうえで、釘などが刺さった部分にゴムを押し込んで塞ぐという一般的なパンク修理の方法をとろうとしても、そもそも穴自体はふさがってしまっているので、どこから漏れているのかを見つけることが難しい。ちなみにもし場所がわかれば穴の部分をきれいにして直せる可能性は高い。

 パンク修理キットで直してそのまま走れる可能性もあるが、やはり安全のためには、結局はタイヤ交換となってしまう。そもそも内部で液剤が動いているので、ホイールバランスが狂うのも必至だ。さらに盲点だが、修理キットは1本分なので、使ってしまったら新品を購入して積んでおかなければならないのも面倒だし、お金もかかる。

 結局は、条件的に可能であれば無理してパンク修理キットで直そうとせず、レスキューを呼んでその場で直してもらうか、ディーラーやタイヤ専門店、カー用品店などに運んでもらって、本来のパンク修理の方法で直してもらうのがベスト。もともと履いているタイヤを活かせる可能性も高いので、費用も抑えることができていいだろう。パンクした場所などによっては、使ったこともないパンク修理キットを、無理して使うのも危険でもある。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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