多くの車種に広がっていったグレードも!
5)タイプR
ホンダ車で特別なグレードといえば、「タイプR」。ベース車のシャシー、サスペンション、エンジン、パワートレインなどを、メーカーであるホンダがよりスポーティーにチューニングしたクルマだけに与えられるグレード名。
1992年の初代NSX(NA1)に最初のタイプRが用意され、インテグラ(DC2)、シビックEK9)などへバリエーションが広がっていった。
いずれも専用ボディカラーの「チャンピオンシップホワイトがイメージカラーで、専用の赤いホンダの「H」マークが取り付けられている。アコード ユーロRも海外では「タイプR」と呼ばれていた。
「タイプR」のルーツには、ツインカムエンジンのZC型を積んだワンダーシビックの「Si」や、VTECエンジンを積んだ「SiR」(EG)といったグレードもある。
6)RS
「RS」も採用するクルマが多いグレード名。「レーシング スポーツ」「リアル スポーツ」「ロード スター」「レーシング スピリット」……そんな言葉を連想させる「RS」だが、初代シビックのスポーツバージョン=「RS」に関しては、「Road Sailing」(ロード・セーリング)の略と説明。当時、お上(運輸省)が「レーシング」といった言葉を嫌ったためといわれている。
最近では、ホンダのフィット、ヴェゼル、ジェイド、トヨタのヴィッツやクラウン、スズキのスイフト、アルトターボに「RS」があり、かつては、4気筒のDOHCエンジン、FJ20を積んだDR30スカイラインにも「2000RS」というグレードがあった。
7)WRX
いまは車名になっている「WRX」も、元はインプレッサシリーズのグレード名。初代のインプレッサが登場したとき、レオーネ時代からのスポーツグレード=「RX」に「World Rally」の意味合いを込めて名付けられ、「X」は未知・未来を意味する。
8)エボリューション
ランサーの車体に、2リッターターボの4G63エンジンを積み、ハイパー4WDとして、WRCのホモロゲーションの取得を目指すために生産されたスポーツモデルが、「ランサーエボリューション」シリーズで、通称「ランエボ」。
初代ランエボ=エボIは、1992年の登場だが、ベンツからはそれより前の1989年にグループAのホモロゲーション取得モデルとして190E2.5-16エボリューションI、1990年に190E2.5-16エボリューションII(いずれも限定500台)というホットモデルが登場している。
その他、競技車両のレギュレーションに合わせた「GT3」や「GT4」などもあるし、「GT1」「GT2」もおなじみ。とにかく「R」や「Z」、「X」、「S」、「V」、「M」、「F」といったアルファベットや、それに数字を組み合わせたりすると、妙にクルマ好きの心がそそられるネーミング、グレード名が出来上がるので面白い。