世界の頂点は「ドイツ車」信奉は未だに存在! 日本車は本当に負けているのか (2/2ページ)

欧州でクルマを売る=アウトバーンで「走られてしまう」

 ユーザーがもっとも気になるのは、「走りの差」ではないだろうか。昔から、ドイツ車は質実剛健なガッシリ系の乗り味と走り味、と表現されてきた。

 この点について、少なくともいまから10年ちょっと前の2000年代頃までは、日系メーカー各社のエンジニアは「ドイツに限らず、欧州で売るということは、アウトバーンで『走られてしまう』ということだ」と表現してきた。

 速度無制限区間があるアウトバーンで、高い次元で安心安全な走行を実現することは、この時点でも日本車にとってかなりハードルが高く、エンジニアたちが比較車両のドイツ車に乗ると「設計思想の違いがあるのは分かっているが、なるほどよく出来ている」と表現をする場合が多かった。

 さらに舞台をニュルブルクリンクに移すと、本質的な差はさらに明確になった。日系メーカー各社がニュルでの本格テストに乗り出したのは80年代後半から90年代に入ってからだ。

 こうした日本車のドイツ仕込みによって、日本車プラットフォーム(骨格/車体)の質はどんどん上がっていった。とくに2010年半ば以降、日本メーカーの走りの質は一気に上がり、ドイツ車を含めた想定ライバル車とテストコースで実際に乗り比べをすると、その差はかなり小さいと感じるようになった。

 一方で、日本メーカー側があえて「ドイツ車っぽくしたくない」という走りの味付けをする場合もある。潜在的な技術の差ではなく、目指す味の差、ということだ。

 もう1点は、内装や装備品について。元来ドイツ車は、走りだけではなく、インテリア造形も質実剛健で、日本人感覚では質素とかシンプル過ぎるといった印象を持つ場合があった。一方の日本車は、日本がカーナビ大国であることもあり、2010年代前半頃までは、車内の装備などでは優れていた印象があった。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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