ATのほうがギヤを間違えやすいため!
結論からすると、MT車で誤って「R」に入れる人はほとんどいないから。HパターンのMT車の場合、1速と「R」のギアの位置は、もっとも離れた対角上にあるのが一般的。停止時から発進しようとしたときに、1速に入れるつもりで「R」に入れる人はほとんどいないし、その反対もまた然り。
最近の6速MTの場合は、シフトレバーを下に押し込むか、リングを引き上げないと「R」に入らない仕組みになっているクルマも多いので、誤って「R」に入れることはまずないはず。ただし、トヨタ車のように、MTでも「R」に入れると警告音が出る車種も出てきている!
一方、AT車は、「R」と「D」の位置が近く、感覚的にもメーターパネルのシフトレバー位置表示灯を見ていないと、どこのギヤに入っているのかわかりづらい……。そういう意味では、「R」に入れたときに警告音が鳴るのは、やはり親切な装備といえる。
「ピー、ピー」といういかにもアラートのような音が耳障りだという人もいるだろうが、最近では「ポロン、ポロン」といったやさしい「R」警告音が出るクルマも出てきている。
実際、この「R」警告音がどれだけギヤの誤操作・誤発進防止に寄与しているかは「?」だが、今話題のブレーキとアクセルの踏み間違え事故のことを考えると、高齢化社会を迎えた昨今、これだけ普及した「R」警告音をなくしてしまうという積極的な理由は見つけられない。
ゆえに、音の種類については改善の余地は大いにあるが、これからもAT車の「R」警告音は、ずっと継承されていくことになるだろう。