レース以外の事業でコロナ禍を耐えるチームもある
ところで、開幕が3カ月以上も遅れ、テスト走行やマシン開発もままならないなか、レース関係のコンストラクターはどう過ごしているのだろうか。業務の100%がレース運営という関連会社は大変厳しい状況だが、コンストラクターの多くはレース運営以外の業務も行っている場合が多く、そういったチームの関連企業は健在だ。
たとえば、スーパーGT GT300クラスに参戦するSUBARU BRZのチーム運営やマシン開発を請け負うR&Dスポーツでは、レース以外では自動車用複合材の開発や生産も行っている。コロナ禍のなかでも、社員は感染症対策に万全を期しながら出社し、いつもどおりの業務を行っていたという。実際、筆者が取材で訪問した先日も、工場から作業音が鳴り響くなか、社員は忙しそうに過ごしていた。
話を聞くと、もちろんレーススケジュールの大幅な変更や無観客開催などに困惑はしているのものの、雰囲気的に悲壮感が漂っている様子はなく、粛々とやるべき業務をこなしているように見えた。
もちろん、これはほんの一例に過ぎず、業界全体では余談を許さない状況が続くが、われわれファンはさまざまな期待を込めてレースシーズンの開幕を待ちたい。