現在のマークはゴーン体制に変わってから登場
・昭和から平成へ
時代は少し飛んで80年代。1981年に登場した6代目スカイライン、R30のころは淵が黒でベースがシルバー、文字が黒というタイプのロゴを使用(写真はシルビア)。
このR30スカイラインでは、ついにDOHCが復活。「4バルブなくしてDOHCは語れない」というコピーをつけ、「DOHC」や「TURBO」のステッカーを貼るのが流行。オイルショック以来、本格的にレースにカムバックしたスカイラインも、このR30だった(スーパーシルエット/グループC)。
そして昭和のラストのころには、シルバーの円、黒い横棒のなかに銀のNISSANというタイプも出てくる。1988年の3代目オースターなどがその時代のクルマ。U11型ブルーバードのプラットフォームの流用で、ややスポーティなイメージ。「ユーロフォルマ」というエアロパーツ装着モデルもあったし、ターボモデルもあったが、国内では印象の薄い一台……。ただヨーロッパでは人気があった(輸出名はブルーバード)。
平成元年・1989年といえば、スカイラインGT-R(R32)復活の年。R32GT-Rには、シルバーの文字だけ浮かび上がらせたシンプルな「NISSAN」のロゴが貼られていた。「90年代までに技術世界一を目指す」=901活動も始まっていて、R32スカイラインだけでなく、S13シルビアや、P10プリメーラ、Z32フェアレディZ、A31セフィーロなど、出来のいいクルマが多かった、日産の黄金時代でもあった。
そのP10プリメーラ(1990年)には、いまのロゴマークに近い、銀の中抜きの円と、銀の横棒に黒のNISSANの文字というロゴがついている。
1999年、経営難が続く日産はルノーと資本提携し、ルノーの傘下へ……。カルロス・ゴーンが会社を率いるようになり、2001年に現行の立体的なロゴにチェンジ(社内コンペで検討された)。P12プリメーラやF50シーマから、このロゴを採用して今に至る。
新しい2次元的なロゴマークは、おそらく来年登場の新型フェアレディZとともに本格的に採用されることになりそうだ。新しいロゴを採用し、新しい時代を迎える日産が、元気とかつての栄光を取り戻せるよう、大いに期待したいところだ。