EJ20の生産終了で「WRX」の人気はさらに高まっている
高嶺の花となってすでに久しいSTIの限定車も、コロナ禍で少しは安くなることを期待したが、今のところその気配はない。EJ20ファイナルエディションやS208あたりの新しめのモデルは依然としてプレミア価格となっており、ノーマルのWRX STIの高年式車や新古車も値上がり気味だ。EJ20の退役を機に、「WRX」というクルマそのものの人気が高まっている。
EJ20を積まず、ミッションがCVTでモデル末期のWRX S4も最後に「STI Sport♯」という限定車を設定し、わずか2週間ほどで予定の500台を売り切った。
比較的「庶民でもギリギリ手が届くSシリーズ」だったはずの「S202 STiバージョン」もいまだ250万円前後の高値をキープ中(新車価格は360万円)。18年落ちの国産車としては高騰中と言える。これも流通台数はわずかなので、「いつかはSシリーズ」を夢見る庶民派のスバルファンは、遅くとも「アメリカの25年制度」に該当する前に買っておかねば、トンでもない相場になるかも知れない。
一部からは「STIは限定車を乱発しすぎ」との声も挙がるが、いずれもアッサリ売り切れることが多いので、それだけ需要があるということだろう。S208は「S207を買いそびれた人」が、RA-Rは「S208を買いそびれた人」が飛びついた例が多いことからも、STIの限定車はまだ供給不足と言えるのだ。
SUBARUファンには「STI限定車の乗り味にハズレなし」とのイメージが浸透しているし、モータースポーツの現場でも強さを発揮し続けてきたことで、「EJ20」や「WRX」というブランドの人気や価値は確固たるものとなった。これが世界的な危機や不況下でも中古車相場がほとんど値下がらない理由となっている。